相互連携を発表した三井住友フィナンシャルグループのオリーブとPayPay相互連携を発表した三井住友フィナンシャルグループのオリーブとPayPay(撮影=ダイヤモンド・ライフ編集部)

三井住友の銀行アプリ「オリーブ」と決済最大手「PayPay」が電撃連携!この掟破りのタッグにより「日本人の“スマホの財布”」を巡る経済圏の覇権争いは三井住友の“独り勝ち”が濃厚となり、三菱UFJやみずほは完全に周回遅れとなりました。しかし、この提携の裏で最強の「全包囲網」を敷き、左うちわでほくそ笑んでいるのがソフトバンクです。私たちの決済やポイント、銀行手数料を激変させる「5つの大変化」と、数年後に訪れる衝撃の未来とは?(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)

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銀行の死闘を横目に
ほぼ勝ち確のソフトバンク

 三井住友フィナンシャルグループが銀行アプリ「オリーブ」の全面刷新を発表しました。注目されるのがQRコード決済最大手のPayPayとのポイント交換、決済連携です。PayPay×オリーブのコラボによってこれから何が起きるのでしょうか?金融決済の未来を予測します。

 先に今回の提携の最大の破壊力の話をします。PayPayの大元であるソフトバンクグループとメガバンクの三井フィナンシャルグループ、この両者が見据えているのは金融AIエージェントが実用化する近未来です。

 今回の提携に関していえば、そのAIエージェントのポジションに最も近いところに繰り上がるのが「オリーブ」になります。この先、わずか数年後にはオリーブは銀行アプリではなく、わたしたちひとりひとりのお金に関するすべての行動の司令塔になるでしょう。

 具体的には公共料金の支払い、カードやQRコード決済、新NISAなどでの資産運用、三井住友以外の他の銀行口座の管理、給料日前のキャッシングなどお金の移動や調達、運用すべてをオリーブでコントロールする未来がやってきます。

 さらにそこにはAIエージェント機能が加わりますから、インターネット通販でのおトクな買い物検索から出張の手配、お小遣い帳の管理とアドバイス、いつか購入したい車や住宅のための資金計画など、これまでは自分で考えなければいけなかった「お金の問題」をAIが大幅に肩代わりしてくれることになります。

 金融分野にAIエージェントが出現することは確定した未来なので、メガバンクの三井住友FGはまっさきに決済最大手のPayPayと手を結ぶことにしたということです。

 一方のソフトバンクグループから見れば、AIエージェントのポジションを狙えるサービスには他にもいくつかの候補があります。