コーヒーの味わいに影響するブレンドや抽出温度の細かな設定も、常に改良を重ねているという。「SOT缶では、本当に細かいところまで踏み込んでいます。これはUCCにしかできないことだと思います」と紙谷氏は意気込む。
現在のSOT缶のメインユーザーは50~60代の男性が中心だ。しかし紙谷氏は、最近の変化に手応えを感じている。
「クリエイティブ職の30~40代の方から、『ブラックコーヒーはUCCのこれでないと』というロイヤリティーが増しています。以前は『何となくこれを飲む』というユーザーが多かった中で、品質かつ直感で選んでいただいている実感があります」
さらなる新規層の開拓も進める。
2025年には、コーヒー本来の成分である「トリゴネリン」を活用した機能性表示食品のペットボトルを「UCC BLACK無糖」ブランドで展開。添加物を一切加えることなく、コーヒー由来の成分だけで機能性を訴求するアプローチは業界でも珍しい取り組みだ。ターゲットは従来の缶コーヒーユーザーとは大きく異なる20代女性で、「硬派なブラック無糖のイメージを超えて、健康を入口に新しい接点を作りたい」(紙谷氏)という狙いが込められている。
今年3月に発売された機能性表示食品のペットボトル「UCC TOTONOU by BLACK無糖」(一番右) Photo by M.F.
「最終的には、缶コーヒーをきっかけにレギュラーコーヒーのおいしさに気付いてもらえる入口でありたい。容器の形がSOT缶であろうとペットボトルであろうと、UCCにしかできないことを積み重ねることが、これからも売れ続ける理由になると思っています」
1本の小さな缶に刻まれた30年を超える「変えないこだわり」が、今日もどこかのコンビニ棚や自販機の中で、新たなファンを待っている。







