さらに「助けていただけませんか」と助けを求めた場合でも、多くの場合、人は好意的に受け止めてくれるものです。なぜなら、頼られて嫌な気持ちになる人はいないからです。

 人には、困っている人を見ると何かをしてあげたくなる心理があります。誰かのために何かをしてあげることで、自分自身の気分もよくなるという性質が人にはあるのです。これは「社会間接互恵性」と呼ばれます。

 地道に努力することは素晴らしいことではあるのですが、人の力を借りることは、より大きな成果につながると同時に、人間関係をよくすることにもつながります。また、他人の力を借りることで、新たな方法やスキルを学ぶ機会にもなります。そうして学んだことは、未来の自分が誰かの役に立つことで返せばいいのです。

1人で仕事をするのは
マネジメント能力が低いから

 仕事の経験を積むうちに、後輩や部下のマネジメントをする立場に立つ人も多いでしょう。しかしそういう立場にありながら、仕事を抱え込んでしまう人もいます。

「まだ彼らは頼りないから任せておけない」
「自分がやったほうが速いから、やってしまおう」
「どうも彼らは、自分から積極的に動いてくれないから、私がやるしかない」

 しかし、本当に後輩や部下が頼りないのか、やる気がないのか、積極性がないのかは、一度見直してみる必要があります。もしかすると、あなたが何かと手を出すために「自分たちには出番がない」「頼りにされていない」「任せてもらえない」と考えているかもしれません。

 マネジメントする立場は、部下に仕事を割り振り、必要に応じて指導したりフォローしたりするのが仕事です。それを「任せられないから」などと自分で抱え込んでしまうのは、自分の仕事を放棄しているようなものです。

 また「もう若手ではないのに、人に頼ったり助けを求めたりするのは、いけないのでは?」と考える人もいるでしょう。

 しかし、いくつになっても、どんな立場になっても、人に頼ること、助けを求めることが大切なことには変わりありません。他人の力を借りないのは、思い上がっているといえなくもありません。