歯に衣着せぬ物言いで人気がありましたが、私がよく覚えているのは、若い人たちのお金をかけない工夫やアイデア、家族による手作りのアイテムを、ピーコさんがときどき誉めていたことです。

 こういった番組が人気であったのは、視聴者自身も専門家と同じように、ファッションチェックを受ける人たちの服装を見て、おしゃれであるかどうか判断し、専門家のアドバイスをもとに自分たち自身のコーディネートの参考にすることができたからでしょう。

 おしゃれであるかどうか、ダサくないかどうかを、判断する目を養う機会がテレビ番組によっても提供されていたのです。

 では、他人の服装をチェックしてしまうのは、テレビがある時代に特有の現象なのでしょうか。

戦時中も他人の服装をチェック

 なんと戦時中ですら、他人の服装に口を出す人は存在していました。

 戦争が激しくなると、服装など気にかけていられないように思われます。ところが、物資が不足すれば、贅沢なものを身につけていないかどうか取り締まる人々が現れ、空襲や火災の危険が身近になると、防火防災に適した服装をしているかどうか目を光らせる人が現れます。

 実際、当時の雑誌には「服装批判」、つまり現代でいうところの「ファッションチェック」のコーナーが掲載されているのです。

 たとえば、衿元はきちんと閉じているかどうか、裾は長めであるかどうかなど、街中を行く人に細かな注文がつけられました。

 もちろん、戦後世代には想像を絶する過酷な状況を、当時の人々は経験していたことでしょう。しかし、そんな命が危険にさらされている緊急事態にあっても、他人の服装をチェックしている。

 そういった事実は、現代のファッションを考えるためにも重要なヒントを与えてくれます。