熾烈な「おじさんパーカー論争」と向き合い、パーカー好きの中年ライターが開いた“悟り”とは「おじさんパーカー論争」に、パーカー好きの中年はどう向き合うべきか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

少し前に始まった「パーカーおじさん論争」と呼ばれる激しい議論が、決着がついたわけではないが熱が引いてきて、今ようやく一段落したようである。筆者はよく中年男性、すなわち「おじさん」に関する記事を発信してきた。さらにパーカーをよく着る40代半ばの筆者にとって、この話題はまったくの他人事でなく、むしろど真ん中の当事者だったが、激論のすさまじい流れに飲み込まれるのがためらわれて静観するうちに、第三者的な立場を取っていたことが功を奏してか、この議論を通して実りある発見をいくつか得ることができた。これを全人類に、特におじさんに向けてシェアしたい。(フリーライター 武藤弘樹)

一段落しつつあるおじさんパーカー論争
「これまでの流れ」まとめ

 発端は、コラムニスト・脚本家の妹尾ユウカさんの「40歳近くになってパーカーを着てるって、おかしいと思うんですよ」という発言である。

 その意図するところは「商談などのフォーマルな場所でのパーカーは違うのではないか」というTPOに関する言及だったのだが、「40代のパーカーはおかしい」という切り取られ方をして広まり、妹尾さん自身も真意と違う切り取られ方をしていることを認識しつつ、「ジジイっつーのは先が短いからか早とちりだな!!」(原文ママ)といった姿勢で発信を続けたので、一部からのさらなる反感とともに元気な話題として席巻が続いたのであった。

「40代のパーカーはおかしい」という意見に対して、まず「たしかに」といった共感や、「エイジハラスメント」といった反論が相次いだ。

 その第一波が終わると、今度は「おじさんパーカー否定論」を評価する、またはそれに関して別の観点を提案するネット記事が出てきた。これは我々ライター含む、ネット記事作成者にありがちな事情なのだが、広まりつつあるトピック、一周したトピックに関して新しい記事が作られる際は、既存の見方ではなく、新たな発見が持ち込まれようとする傾向がある。