やらなくてはいけないことがたくさんあるのに、体が動かない。意志が弱いのか、自分がダメなのか――そう自分を責めてしまう人は少なくない。しかし『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(ダイヤモンド社)の著者・池田貴将氏は、「行動できないのは意志が弱いせいではない」と語る。今回は池田氏に、「わかっているのにできない」という悩みの正体と、行動できる人に変わる方法について伺った。(取材/ダイヤモンド社・林えり、構成・文・撮影/照宮遼子)
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「できない=意志が弱い」は間違い
――池田さんは、もともと行動力のあるほうだったのでしょうか?
池田貴将(以下、池田):いえ、むしろ先延ばしタイプでした。大学生のころ、気合いを入れて朝9時の授業を入れたのに起きられなくて出席できない、ということを大学4年間ずっと繰り返していたんです。「わかっているのに何でできないんだろう?」と、ずっと引っかかっていました。
――「わかっているのに動けない」というのは多くの人が抱えている悩みですよね。
池田:そうなんです。「思考は現実化する」と言うけど、自分のやりたい思いが実現しないのはおかしいですよね。そんな違和感を抱いているときに、世界的コーチであるアンソニー・ロビンズの「人は感情の生き物だ」という考えに出会って、「なるほど」と腑に落ちたんです。
「行動できない」を突破する考え方:「未来の感情」を先取りする
――「人は感情の生き物だ」というのは、どういう意味ですか?
池田:たとえば「朝9時に起きて授業に行く」ということは頭ではわかっていても、それをやりたいという気持ちにはならない。だから結局、動けないんです。だったら、「『うまくいったときの未来と、そのときにどんな感情になるのか』をリアルにイメージできれば、動けるようになるのでは?」と考えました。
――具体的にはどういうことをするんですか?
池田:やり方はシンプルで、「それをやったらどうなる?」と、どんどん先を想像していくんです。うまくいっている状態まで思い描いて、それをすでに経験したことのように感じてみる。そうすると「これは当たり前に達成できることだ」と捉えられるようになって、「じゃあやったほうがいいよね」という気持ちが自然と湧いてくるようになります。
池田貴将氏 写真:照宮遼子
人は行動したあとの「気分」を手に入れるために動く
――『人生アップデート大全』に出てくる、「ToDoリストにToDoだけでなく、完了したあとの気分も書く」というのも、同じ発想ですよね。
池田:はい。アンソニーは「人が欲しいのは物質や目標ではなく、その先で得られる感情そのものだ」とも言っています。何かを手に入れたいと思うときも、実はその先にある気持ちを求めているだけなんですよね。だったら、達成してからその感情を得るのではなく、先に感じてしまえばいい、ということなんです。
ToDoリストに「完了したあとの気分」を入れると、一気に動けるようになる
――具体的には、どんなふうにToDoリストを書けばいいのでしょうか。
池田:たとえば、「メールを返す」ではなく「メールを返してスッキリする」、「メルマガを書く」ではなく「メルマガを書いて役に立っていると実感する」というように、終わった後の状態まで書いておくと自然と手が動くようになるんです。
常に「いい気分になれる」を解釈をしよう
――やろうと思ったことができなかったときはどう捉えればいいでしょうか?
池田:うまくいかなかった日があっても、気にしすぎないことです。たとえば、体調を崩して2週間運動ができなかったとしても、1年で見ればほんの一部です。「できなかった自分」を責めるより、「じゃあ明日はどうやるか」にエネルギーを使った方がいいですよね。
――たしかに、自分を責めるよりも、次のことを考えるほうがポジティブに動きやすくなる気がします。
池田:できない自分を責めている時間って、すごくもったいないんです。「今いい気分になるにはどう解釈すればいいか」という視点を知るだけで、動きやすくなります。『人生アップデート大全』にはそうしたヒントをまとめているので、気軽に一つからでもいいので試してほしいですね。
池田貴将氏 写真:照宮遼子
(本稿は『人生アップデート大全』に関する特別投稿です)
株式会社オープンプラットフォーム代表取締役
リーダーシップおよび行動心理学の研究者。早稲田大学卒。
大学在学中に渡米し、コーチング理論を学んだ経験をもとに起業。セミナーを開催すると、たちまち「ラクにすごい結果が出た」「説明がおもしろくて理解しやすい」と企業リーダーたちの間で評判になり、ファンやリピーターが急増した。
現在はビジネスリーダー向けのスクールを主宰し、「行動を生む心理学」と「人格形成に関する知見」を統合した独自メソッドを伝えている。常に海外の最新の研究や文献を取り入れながら内容をアップデートしており、エグゼクティブやアスリートをはじめとするプロフェッショナル層から高い支持を得ている。
著書に『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(ダイヤモンド社)、『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』『図解 モチベーション大百科』(共にサンクチュアリ出版)などがある。











