ドナルド・トランプ米大統領とイランが合意した停戦により、戦闘はやむかもしれないが、中東地域の主要なエネルギー拠点での被害は、長期にわたる経済的損害をもたらす見通しだ。イランのミサイルとドローン(無人機)は、同地域の数十カ所の製油所、油田、天然ガス輸出ターミナルを攻撃した。これにより、ホルムズ海峡が再開されたとしても、世界の石油・ガス市場の需給逼迫(ひっぱく)は長期化することが確実となっている。これらの損傷を受けたエネルギー施設の修復作業は極めて複雑であるため、世界のエネルギー供給が長期にわたり絞られ、原油高を招くことになる。製油所が稼働していない状況では、たとえ生産者が原油を生産したとしても、市場ではディーゼル燃料、ガソリン、ジェット燃料といった石油製品の不足が続くだろう。一方、輸出施設が損傷しているため、炭化水素をタンカーに安全に積み込むこともできない。