「時間は誰にでも平等」と言われるが、本当にそうだろうか。忙しさに追われる人もいれば、お金で時間を買い、余裕を手にしている人もいる。『人生は「気分」が10割』の著者、キム・ダスル氏の新刊『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した本稿では、ライターの柴田賢三氏にお金持ちとそうでない人の決定的な差についてのエッセイをご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)
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お金持ちは
時間を買っている
先日、友人の新築祝いに招かれた。
外資系の有名企業に勤める幹部社員というだけあって、都内の一等地にバカでかい一軒家を建てていた。
聞けば、もともとアパートだった土地らしく、普通の一軒家なら3~4軒は建てられそうな敷地面積だ。
内装もおしゃれそのもの。広々としたダイニングからリビング、在宅勤務用のワークスペースまで、腰の高さの本棚が続いており、まるでブックカフェに来たかのような心地よさ。収納や生活動線なども徹底的に考え抜かれていて、憧れを抱くレベルを超えていた。
自分と同じ生活水準の友人の自宅に招かれて、そこが素敵なマイホームだったらうらやましいと思うのだろうが、ここまでくるとテレビで芸能人の豪邸拝見番組を観ているようなもの。ただ、ただ「いいものを見せてもらった」という感覚になる。
何気なく「こんなに広いと掃除も大変じゃない?」と聞いたら、奥様がサラリと答えた。
「私たちがやるわけじゃないから」
そうか、これほどのセレブだと掃除は自分たちでやるものではないのだ。
「時間は不平等」を前提に
“人生の指標”となる言葉の数々を収録している本、『人生は期待ゼロがうまくいく』の中には「『時間は不平等』を前提にする」という項目がある。
――『人生は期待ゼロがうまくいく』(p.132)
著者のキム・ダスル氏は、移動も車や船が安く感じたとしても時間がかかり、飛行機なら最短の時間で目的地に着く。仕事や運転も誰かに頼めば、それだけ自分の時間が確保できる。「時間こそお金持ちに有利で、平等とは言いがたい」と説いている。
娘には、「お金より大事なのは時間だよ。時間だけは平等だから、それを有意義に使いなさい」と教えてきたが、自分は50年以上もだらだらと過ごしてきた。
結果、朝の忙しい時間帯や休日の大切な時間を掃除にあてている。
キム氏は、「まずは、自分の時間の使い方を見直すことから始めたい」と勧めている。娘に偉そうなことを言う前に、自分の空いた時間の過ごし方を考えようと気づかされた。
(本記事は『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した書下ろしエッセイです)
大学卒業後、複数の出版社や不動産会社での社員を経てフリーライターとして独立。週刊誌、月刊誌、WEBメディアなどで記者、編集者を経験した。事件、芸能、スポーツ、サブカルチャーまで幅広く取材に携わり、のちに新聞やテレビでも大きな話題になったスクープをモノにしたこともある。





