旧制時代の卒業生には
小説家の大岡昇平と安部公房も
文芸では、小説家の大岡昇平と安部公房が旧制時代の卒業生だ。大岡は旧制青山学院中学部から編入してきた。『俘虜記』『花影』などが代表作だ。
安部は満州の旧制奉天第二中学を「四修」で卒業して入学した。51年に『壁』で芥川賞を取った。
小説家としては「辻井喬」を名乗ったセゾングループ創業者の堤清二は、東京府立第十中学校(現都立西高校)を経て旧制成城高校に進学してきた。『虹の岬』で94年に谷崎潤一郎賞を受賞した。
『私生活』で直木賞を取った神吉(かんき)拓郎は、旧制私立麻布中学(現麻布高校)卒後に入学してきた。放送作家としても活躍した。
新制卒の物書きでは、エッセイストの斎藤由香が売れっ子だ。中学から大学(文芸学部国文学科)まで成城学園で過ごした。サントリーに勤務しながら、週刊新潮などにエッセーを連載した。
祖父は歌人・精神科医の斎藤茂吉(東京府開成中学、現私立開成高校卒)、父は作家の北杜夫(旧制私立麻布中学、現麻布高校卒)だ。由香は「おおらかな学校で、偏差値とは無縁の環境で学校時代を過ごした」と回想している。
編集者・フリージャーナリストの矢崎泰久は、初等学校から高校まで成城学園で、早稲田大中退だ。ミニコミ誌の『話の特集』を創刊し、編集長を30年間も務めた。
小説家・写真家の椎名桜子もOGだ。自主映画を制作したことがあり、成城学園高校の学園祭で上演された。
脚本家・小説家では、向田邦子賞を受賞した筒井ともみがいる。03年に映画『阿修羅のごとく』で第27回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した。成城大文芸学部卒だ。
翻訳家・エッセイストでは、鴻巣友季子が光っている。英語の翻訳家で、ミステリー・サスペンス物が多かったが、最近は純文学の翻訳まで領域を広げている。文芸評論家として書評にも力を入れている。成城大文芸学部―お茶の水女子大大学院人文科学研究科英文学専攻修士課程修了だ。「当代一の翻訳家」といえるだろう。







