自分の子どもがじっとしていられない、集中力がない。そんな様子を見て、「この子、将来うまくやっていけるかな?」と不安になる人もいるかもしれない。そんな子育てに悩みがちな人におすすめなのが書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)だ。本書は、神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍する著者が、「感情や欲望に振り回されずに生きる方法」を、脳科学・心理学・哲学の視点から解説。子育てに関する章では、親の理想を押しつけすぎずに、子どもの潜在能力を伸ばす方法を紹介している。本記事では本書の発売を記念して、哲学者ニーチェの言葉を中心に、一部抜粋・再編集して紹介する。
Photo: Adobe Stock
子どもの「衝動」は、貴重な「資源」
ニーチェは、「子どもの衝動は、無理に抑え込まずに創造的に活かせ」とすすめています。
もし彼が現代の育児相談を受けたら、こんなふうに答えるかもしれません。
「毎日6時間もゲームしてる? 大した集中力だ! その子にはプロゲーマーやゲームクリエイターの素質があるかもしれんぞ」
「授業中に窓の外ばかり見てる? すばらしい。末は自然科学者か生態学者か」
「うちの子、ADHDかも……」と思ったときの捉え方
また、ネット検索で情報を得て「うちの子、ADHDかも……」と過敏になる親たちには、「それは多動じゃなくて、ただの“元気いっぱい”なのでは?」「集中できないんじゃなくて、興味の多い子なのかもしれんよ」と答え、こうした子どもの“頭の痛い行動”を改めさせたり“多すぎる興味”を絞ろうとしたりすることよりも、「その特性を想像力に変える方法を探しなさい」とつけ加えるでしょう。
弱み強みに捉え直す
ニーチェは、子どもの弱点を強みに捉え直す天才だったはずです。
彼は子どものエネルギーを、消すべきものではなく、未来をつくる「資源」だと考えていました。
ニーチェの「超人思想」の「超人」とは、かみ砕けば、世間の風潮になびくことなく、自らの意思で自分だけの可能性を最大限に引き出せる人のことです。
今風に言えば、「みんなが医大を目指すからって、うちの子もそうさせる必要はない」という考え方です。
本当の教育とは「日々を耐える力」ではなく「自分の人生を創り出す力」
ニーチェはいわゆる教育学者ではありませんが、こうした「超人思想」も、子どもの教育を考える上で大いに参考になります。
彼は、子どもが社会とぶつかりながら、自分だけの道を切り拓いていくことを「偉大なる挑戦」だと評価し、本当の教育とは「日々を耐える力」ではなく、「自分の人生を創り出す力」を育てることだと考えたのです。
親の役割は、そのクリエイティブな冒険に寄り添い、勇気を与え、必要なリソースをサポートする「心強いパートナー」になることなのです。
(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』から一部抜粋・再編集した記事です)









