「自力整体」とは、整体や鍼灸の技法を自分自身に行うセルフケアです。全国で約1万5000人が実践し、「慢性的な痛みがラクになった」「ぐっすり眠れるようになった」といった声が寄せられています。新刊『すっきり自力整体』では、東洋医学の考え方をベースに、不調を根本から整える方法を紹介しています。
今回はその中から「目」に注目。眼精疲労やかすみ目の改善はもちろん、全身のこわばりまでゆるむワークをお伝えしましょう。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗

【整体プロが指南】目が疲れた、かすむときに。デスクでできる簡単ワーク

目の疲れは「背面ライン」からゆるめる

 朝ははっきり見えていたのに、夕方になるとぼやける――。
 そんなとき、多くの人は「目」だけを何とかしようとします。

 でも実は、原因は目だけではありません。
 カギを握っているのは、「首のこわばり」です。

 長時間のデスクワークで目を使い続けると、後頭部から首にかけて、じわじわと緊張してきます。
 このこわばりが、ピント調整を担う筋肉の働きまで鈍らせてしまうのです。

 ここで注目したいのが、東洋医学の「膀胱経(ぼうこうけい)」(図参照)という流れです。

 膀胱経は、目→後頭部 → 首 → 背中 → 腰 → 脚の裏 → 足の小指へとつながる“体の背面を貫くライン”。

 つまり、首のこわばりも、目の疲れも、このライン全体の滞りとして起きている可能性があります。

 実際にこのラインをゆるめると、目や首だけでなく、背中や腰までスッと軽くなる感覚が出てきます。

 たとえば、後頭部を軽くゆるめただけで

 ・目の奥がじんわりゆるむ
 ・視界が明るくなる
 ・呼吸が深くなる

 といった変化を感じる人も少なくありません。

 さらに不思議なことに、目と後頭部しか触っていないのに「前屈しやすくなった」というケースもあります。

 これは、膀胱経の“背面ライン全体”がゆるんだからです。

 目の疲れは、目だけで解決しようとしないこと。
 膀胱経のラインをゆるめる――これが回復の近道です。

眼精疲労・かすみ目に「目をうるおす指圧」のワーク

 書籍『すっきり自力整体』から、デスクでもできる簡単なワークをご紹介します。
 膀胱経をほぐし、目と首の緊張を同時にゆるめる方法です。

 実践方法は、次の画像を参考にしてください(※画像は『すっきり自力整体』より)。

【整体プロが指南】目が疲れた、かすむときに。デスクでできる簡単ワーク
【整体プロが指南】目が疲れた、かすむときに。デスクでできる簡単ワーク

 ◎「目をうるおす指圧」のワーク

【手順1】
 ◆ひじをデスクにつき、指を組み、親指で眉の下の骨のくぼみをやさしく押す。10秒

【手順2】
 ◆手のひらの小指側で、目を閉じた状態の眼球をそっと包むように軽く圧をかける。10秒

【手順3】
 ◆両手の中指で、後頭部のくぼみ(ぼんのくぼ)をやさしく指圧。10秒

目を回復させる、日常のコツ

 最後に。さらに回復を早めるためにおすすめなのが、「目を休ませる習慣」です。

 ・メガネやコンタクトに頼りすぎない
 ・家ではできるだけ裸眼で過ごす
 ・夜は少し暗めの環境で目を休める

 こうすることで、目の緊張がゆるみ、ピント調整の筋肉も自然と回復していきます。
 結果として、視力低下の予防にもつながります。

 時間に余裕のある日は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」で、全身をしっかり整えるのもおすすめです。

 ※『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。

矢上 真理恵(やがみ・まりえ)
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。