
りん、早くも瑞穂屋を辞める
東京に戻ってきたりん。風鈴が優しい風に鳴っている。
1階でりんが美津(水野美紀)と向き合っている。背後では湯気が出ている。こういう生活描写はいいなあと思う。
美津「恥を(知りなさい)」
りん「恥は知りました」
りんにとっての恥は「己の良心に反すること」だと毅然とするりんに「母を否むということですか」と美津は問う。
りんは泣きながら、「私も母上のような奥様になりたかった。でもなれなかった」と思いを語りだす。
環を学校に行かせたい。そのためには働かなくてはならない。
「自分の力で生きていかなくてはならなくなったとき、学はあった方がいい」
りんは父の言葉「学ぶことはときに世を渡る翼になり、時に身を守る刀になる」を引用して母を説得する。
美津は無視して、横浜にある老舗造り酒屋の長男との縁談を持ちかける。
「私、間違えました」
「私が自分の力で生きていきたいんです。仕方なくじゃない。私と環の人生を、嫁ぐ相手に委ねるのは、もう嫌なんです」
りんは必死で母に訴える。りんの話し方はどこかとっちらかっている印象がある。あれこれ選択肢を眼の前に判断を間違って、あたふたしてしまうキャラなのだろう。
気持ちはわかった。でも授業料はどうする?
結局、美津が信勝(斉藤陽一郎)から返してもらった帯を売り、そのお金をりんに渡すことで解決を見る。
縁談の話は嘘(うそ)で「あなたの本当を問いたかったので」という美津は、「今度こそ勝ち戦になさい」とりんの願いを認めた。
こんなふうにいつも誰かが手を差し伸べてくれる。直美(上坂樹里)とはどえらい違いである。
りんは働き始めたばかりの瑞穂屋をあっという間に辞めることになったが、英語の辞書は貸しておいてほしいと清水卯三郎(坂東彌十郎)に頼む。
彼はにこにこと「リターンさえあれば」と餞別にくれる。いったい彼はどんなリターンを期待しているのだろうか。
りんは「リターン」の意味を聞くことはしないが、「ソサイエティ」の意味がわからないと卯三郎に尋ねる。日本語訳は「社会」とあるだけで、そもそもその「社会」の意味が今ひとつわからない。わかったふりをしない素直なところがりんの良さ。「ソサイエティ」と聞くと、“イエティー”、ヒマラヤの雪男を思い出してしまうのは筆者だけだろうか。







