トヨタを抜かしてBYDが2連覇

 26年のバンコクショーで最多予約を確保したのは、中国のEVメーカーBYDだったのです。24年まではトヨタが圧倒的な1位でしたが、25年にBYDが逆転トップに。その状況が2年連続するとは、昨年がまぐれではなく、確かな異変が起きている査証です。

 しかも26年のBYDの予約数は1万7354台で、トヨタは1万5750台、その差は1604台と昨年よりもかなり開いています。さらに3位には、同じく新興のオモダ・ジェイクー(中国)が1万5088台で迫りました。

 予約台数一覧を見ると、またまたショック。10位内に入った日本ブランドは2位のトヨタと10位のホンダのみで、他は全て中国ブランドでした。中国ブランドの予約数合計は9万578台で、日本ブランドは同3万6346台と、その差は大きいものです。

「日本人としてはショックです…」タイのモーターショーで起きた「大きな異変」バンコク国際モーターショー2026予約台数一覧
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 BYDがタイに進出したのは22年。今年のプレスカンファレンスでは、累計販売台数が11万6000台に達したと発表しました。アジア太平洋自動車販売事業部ゼネラルマネージャーでBYDジャパン社長も務める劉学亮氏に、「イラン情勢による原油高の影響」について質問すると、力強くこう答えました。

「ガソリンを使わないEVはこの情勢が追い風になります。今回の石油危機を乗り越えるのに今、私たちできることは、ガソリン使わないことです。しかし、日々の移動手段として自動車は欠かせないもの。EVはこの状況下では有利になるでしょう」(同)

 中国ブランドはEVが多く、タイ都市部におけるEV人気が後押しして、予約台数を伸ばしているそう。一方で、「タイのEV充電インフラは、郊外や地方では、まだ急速充電は難しい。帰省で長距離を走る場合などは、EVは使えない」(ジャトロン事務局長)という指摘もあります。

 ここでひとつの疑問が浮かびます。EV急速充電器の整備の度合いで言えば、日本のほうが普及している。なのに、なぜタイではEVの人気が高いのでしょうか。25年の新車登録に占めるEVの割合は24.79%、つまり4台に1台はEVにまで高まっています。首都バンコクに限れば、さらにこの割合は上がります。