なぜ中国EVがこれほど人気なのか

 ジャトロン事務局長によれば、「タイ人は新しいもの好き」とのこと。なるほど、EV人気が高い理由が、垣間見えました。というのも筆者は、「クルマに求める価値観の違い」が大きいと感じたのです。

 かつては大パワーのエンジンや4WDなどの走破性といった、「基本的な走り」の性能が、クルマに求める価値観で重要なものでした。しかし最近は、「快適で便利」な性能に、その座を譲りつつあります。

 例えば、クルマに近づくとドアロックが自動で解除される。持っているキーでドライバーを判断し、シート位置やハンドル位置を自動調整し、好みのBGMも流してくれる。こうした機能のほうが、消費者に魅力を放つようになっているのです。

 実際、中国ブランドには、音楽に合わせてモニターが回転するようなギミックを盛り込んだクルマもあります。アフターマーケットではなく、新車で組み込んだそうした機能が人気を得ている。こうした面も、中国ブランドが台頭する理由だと感じます。

 また、中国ブランドは税制面でも優遇を受けています。タイは基本的に、輸入車には重い課税を課しているのですが、中国ブランドはタイ国内に工場を作ることを前提に、輸入車への関税が減免されてきました。とはいえ、輸入台数に応じてタイ国内で製造する必要がある、条件付きでの減免です。輸入で台数を伸ばしたブランドは今後、積極的にタイ国内で生産しなければいけません。

 さまざまな要素が絡まり合う、タイ新車市場のシェア争い。来年は、また様変わりする可能性も否定できません。