総予測2026Photo by Koyo Yamamoto

2026年夏、中国系自動車メーカーのBYDが軽EV(電気自動車)「ラッコ」を日本市場に投入する。スズキやダイハツ工業、ホンダなど日系メーカーの独壇場となっている軽自動車市場に、BYDが殴り込みをかける格好だ。ラッコが、「狙い撃ちするターゲット」とはどんな層か。そして、損益分岐台数の目安とは?特集『総予測2026』の本稿では、BYDの乗用車日本法人、BYDオートジャパン(BYD Auto JAPAN)の東福寺厚樹社長を直撃した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

ジャパンモビリティショーで高い関心
航続距離200キロを求める声が目立つ

――2026年夏ごろ、BYDは日本市場に軽EV(電気自動車)「ラッコ」を投入します。25年10~11月に行われたジャパンモビリティショーでラッコをお披露目し、BYDのブースで来場者の反応を東福寺社長は入念に確認されていました。

 関心はものすごく高かったです。

 ブースにいらした方の4分の1は能動的な「BYDウオッチャー」のような方々、残りの4分の3はメディアの報道などを見て「BYDの軽自動車はどんなものだ?」と関心を持ったような方々でした。

BYDが26年夏に発売する軽自動車「RACCO(ラッコ)」BYDが26年夏に発売する軽自動車「RACCO(ラッコ)」。BYDは、EVで「地球の温度を1℃下げる」という企業ミッションを掲げる。絶滅危惧種である動物のラッコからとった Photo by K.Y.

――来場者は何に注目していましたか。

 発売時期、価格、それから航続距離の3点セットでした。

 発売時期は26年夏ごろと公表しています。価格は各社が軽自動車のEVを発売していますから、そこも参考にしながら、発売前に発表します。

 航続距離は、(バッテリーサイズが小さく価格の安い)ショートバージョンと(バッテリーサイズが大きく価格の高い)ロングバージョンを用意します。現在テスト中で、航続距離は固まっていない状況です。

――来場者は最低何キロメートルの航続距離を求めていましたか。

(消費者が購入を検討する)閾値は200キロメートルでしょうか。

モビリティショーの会場で手応えを得たBYDの軽EV「ラッコ」。東福寺社長へのインタビューには、ラッコの商品企画責任者である田川博英氏も同席。田川氏は、かつて所属した日産自動車で、軽自動車の開発を手掛けた。日本独自の規格である軽自動車であるラッコの「ターゲット」は誰になるのか。次ページでは、買い替えターゲットとなるメーカーと車種名も挙がった。また、投資回収はできるのか、損益分岐台数の目安も問うた。