殺害方法については司法解剖の結果、遺体の損傷が激しく「死因」が不明で、凶器が何でどうやって殺害したかも分かっていない。捜査本部が明らかにしていないだけで、具体的な自供を得ている可能性もあるが、それでも裏付けが簡単とは言い切れない。
動機や計画性などについては記者団からの質問に対し、捜査本部は「差し控える」との回答を繰り返した。「不明」「分からない」ではなく、ノーコメントというわけだ。これは警察の記者会見でのやりとりにおいて「押さえてはいるが言えない」というニュアンスを含むケースがある。なぜかと言うと「情報提供の呼びかけに協力してもらったマスコミに嘘は言えない」という仁義・配慮があるからだ。
ただ「動機」は本人による供述に頼るしかないが、「計画性」については深く考えていたとは思えず、行き当たりばったりだった可能性も指摘されている。それは遺留品や遺体を放置していた状況から想像できる。
「すべて解決」ではなくこれからが正念場
筆者が全国紙デスクから聞いた優季容疑者の性格から、のらりくらりとかわすようなことはせず、具体的な殺害方法などを含めてすべて供述する「完落ち」の状態である可能性もあるが、今後の捜査の進展を見極める必要がある。ただ弁護士が付いた後、否認や黙秘に転じるケースは珍しくなく、捜査本部もそこは織り込み済みだろう。
優季容疑者は送検され、延長も含め最長で20日間の勾留が可能となった。殺人容疑での再逮捕に向けカウントダウンは始まったが、捜査本部の目的は事実関係をすべて固め、京都地検が起訴(公判請求)して有罪判決が確実となる捜査情報をまとめることだ。
殺人・死体遺棄事件であれば当然、裁判員裁判になる。裁判員に選ばれた一般市民が、優季容疑者(起訴されれば被告)が「犯人で間違いない」と裁定する証拠を揃える作業は、はたから見るより意外に大変なのだ。
一般の方には「すべて解決した」と見える事件だが、捜査本部にとっては「ようやく一段落。これからが本番」である。11歳の男児が養父に命を絶たれたのだとすれば、事実関係が明らかにされ、然るべき罰が下されるべきであることは言うまでもない。
京都府警捜査本部の「仕事」は、これからが正念場だ。







