大黒パーキングエリアに入り、コンビニでコーヒーを買って、駐車場に佇むデリカを眺めた。午前5時を過ぎて東の空が白み始めている。長いトンネル、多くのワインディング。強い海風。トラックの横風。しかし疲労感が無い。腰の張りも肩の凝りもない。コーヒーを飲み終えて首都高横浜線を二周りして復路につく。湾岸線を東京方面へ戻り、レインボーブリッジを渡って環状線を経由し、用賀に帰る。燃費はメーター読みで13.2km/L。首都高を150km。1.9トンのクルマで13km/L台は立派な数字だろう。8速ATの恩恵だろうか。

大黒PAにて大黒PAにて Photo by F.Y.

「クルマ業界のシーラカンス」が過去最高販売を記録

 首都高を用賀で降り、環八を流しながら考えた。デリカは2007年に生まれた。冒頭で述べた通り、初代iPhoneが発売された年だ。iPhoneは毎年のようにモデルチェンジを繰り返し、今や17代目である。一方のデリカD:5は、同じ骨格のままここにいる。

「シーラカンス」~誠に失礼ながら、こんな言葉が頭に浮かんだ。クルマ業界のシーラカンスではないか。三菱の愛すべき古代魚は、それでも2025年度に過去最高の販売台数を記録した。

 ライバル不在のブルーオーシャンを自在に泳ぎ回る古代の魚。経営学の教科書にそのまま載せたい事例ではないか。なぜ他社はこのオイシイ市場に参入してこないのか。そして三菱は、2007年の設計に2025年の技術をどうやって統合したのか。S-AWCの制御は何を基準にチューニングしたのか。次回、開発者にタップリ伺おう。

デリカD:5の運転席デリカD:5の運転席 Photo by F.Y.
デリカD:5。3列目シートは狭いデリカD:5。3列目シートは狭い Photo by F.Y.
デリカD:5の車内空間デリカD:5の車内空間 Photo by F.Y.

 それでは最後にこのクルマの○と×を。