推薦進学率が意外と低い女子系属校

 立教系列の女子校はいずれも系属校となる。内部進学率が8~9割の男子付属2校とは異なり、女子系属2校はいずれも6割台にとどまる。この点が大きな違いだろう。2026年の女子受験生は立教大系属校を3回受験することができた。

 立教学院と創立者が同じ立教女学院(東京・杉並区)は、首都圏でいまや18校しか残っていない1回だけ入試を行う私立中学の一つだ。27年に創立150周年を迎える。11世紀スコットランドの王妃に由来する「聖マーガレット」が英語の校名として親しまれ、原則として希望者全員が中学に進める小学校(募集人員72人)も付設、中学で約120人を募集、高校募集はしない中高完全一貫校である。

 26年は2月1日が日曜日の“サンデーショック”で、2日に入試が移動した。その結果、25年より138人も受験者数が増えている。24年から25年にかけても122人増加しており、新型コロナ禍での低迷期は脱している様子がうかがえる。前回サンデーショックの経験を踏まえると、27年には100人程度は受験者数が減少し、倍率も2倍台半ばに戻るものと見込まれる。この点に関しては以前の記事を参照していただきたい。

 20年前からコース制を高2・高3で導入しており、立教大理学部の内部進学も含む理系コース、他大学進学の文Iコース、そして内部進学と芸術系を目指す文IIコースがある。推薦枠は卒業者数よりも多い212人分あるものの、25年の立教大進学者数は110人(卒業生の60%)にとどまった。合格実績を見ると、東京2人を含む国公立大12人、他私立大では慶應義塾22人、早稲田18人、上智17人、明治15人、ICU(国際基督教大学)6人などとなっており、男子の付属校と比べるとはるかに進学校的な色合いが濃い。

“聖ヒルダ”として親しまれている香蘭女学校(東京・品川区)もかつては1回だけ入試校だった。19年から2日午後に第2回入試を設定、立教大への推薦枠が24年から一挙に卒業生全員をカバーする数になったこともあり、いまではすっかりCランクの仲間入りをしている。とはいえ、25年の立教大進学者数は105人で、卒業者数の64%にとどまった。他大学の指定校推薦枠としては、青山学院14人に加えて、東京理科5人、東京農業15人、芝浦工業26人といった理系大学の枠の大きさが目に付く。

 立教大の推薦枠を生かし切れない理由の一つには、学部の人気差も影響している。立教池袋と香蘭女学校の学部ごとの26年推薦枠の消化状況を見ると、経済、社会、経営の各学部と最も難度が高い異文化コミュニケーション学部の推薦枠は両校ともすべて埋まっている。一方で、新座キャンパスは現代心理学部こそ半分ほどが埋まるものの、観光、コミュニティ福祉、スポーツウエルネスの3学部はゼロもしくは数人にとどまっている。

 実はもう一校、全寮制共学校の立教英国学院(公益法人立教英国学院)も系属校である。日本の海外駐在員子弟向けの学校として1972年に設立された。小学部(5・6年生)・中学部・高等部があり、25年は高等部卒業生51人中38人が立教大に推薦入学している。24年の26人から大きく増えたのは、それまでの上限25人が撤廃され、推薦要件を満たせば全員進学可能となったことが大きい。入試は現地と東京で行われている。英国では20%の付加価値税(VAT)が課されることもあり、授業料と寮費を合わせて中学部で年770万円ほどが必要となる。