学校の授業で学ぶ歴史には、偉人たちの輝かしい功績や「すごい」エピソードが数多く登場します。しかし、どんな人物にもそれだけでは語れない一面があります。歴史をひもとくと、「すごい」人の中にも、思わず目を疑うような「やばい」行動や選択が、数多く記録されているのです。
そんな「すごい」と「やばい」の両面から、日本史の人物のリアルな姿に迫るのが『東大教授がおしえる 超!やばい日本史』。今回は、シリーズ前作『東大教授がおしえる さらに!やばい日本史』所収の前田利家のやばすぎるエピソードを紹介します。

『豊臣兄弟!』で話題の前田利家、ドラマでは描かれない「信長の愛をめぐる殺人事件」とは?Photo: Adobe Stock

織田信長の愛をめぐり、殺人事件を起こす

 身長180cm以上もあるイケメンだったといわれている前田利家。若いころは相当ヤンチャで、織田信長とともに不良ファッションで街を練り歩く傾奇者でした。

 じつは、ふたりは恋人でもありました。この時代、男性どうしの恋愛はめずらしくなく、信長が家臣団の前で利家についてのろけたという加賀藩の公式記録も残っています

 時がたち、利家はまつと結婚。信長は拾阿弥(じゅうあみ)という茶坊主をかわいがるようになりました。拾阿弥は信長の元恋人にマウントをとりたかったのか、利家にイヤミ攻撃をしかけます。しかもそれではあきたらず、利家がまつにもらった大事な笄(こうがい。髪を整える道具)をぬすんだのです。

 とうとう怒った利家は信長に「殿、拾阿弥を斬ってもいいですか!?」とうったえますが、信長は「まあまあ……大目に見てやってよ」と露骨に拾阿弥をえこひいき。

 利家もいったんは信長の顔を立てて引き下がったものの、拾阿弥に「返してほしいか? ほれほ~れ」とでもバカにされたのか、やっぱりブチギレて信長の目の前で拾阿弥を斬り捨ててしまいました

 信長は「もう顔を見せるな!」と利家に激怒。信長にゆるしてもらうまで、利家は浪人同然の貧乏生活を送るはめになったのです。

『豊臣兄弟!』で話題の前田利家、ドラマでは描かれない「信長の愛をめぐる殺人事件」とは?イラスト:和田ラヂヲ(『東大教授がおしえる さらに!やばい日本史』より)

(本原稿は『東大教授がおしえる さらに!やばい日本史』からの抜粋です)