
オブザーブの意味 シマケンの場合
それを聞いて捨松は「あなたたち2人とも、もうとっくにお互いオブザーブしてますね」と微笑(ほほえ)む。
なんと、さっきまでりんが来ていて同じ「オブザーブ」の意味を聞いていったというのだ。しかも彼女も「直美さんを傷つけてしまった。こんな自分が看護婦になれるのだろうか?」と悩んでいたと。
「看護は1人ではできない仕事ですわ。仕事場にグッドパートナーがいるのは、うらやましいことですわね」と捨松は言う。
それから、東雲(中井友望)が言っていたのと同じナイチンゲール女史の言葉を引いて、「自分がどのような人間なのか悩める人こそ看護婦に向いていると私は思います」と直美の背中を押した。
場面変わってりんのパート。りんは家でお団子を食べてから捨松の家に行き、そのあと瑞穂屋へ向かう。
卯三郎(坂東彌十郎)はいなくて、ちょうどいたシマケン(佐野晶哉)に「オブザーブ」の意味を問う。
捨松から聞いた「じっと包み込むように患者を看続ける」という言い方が冗長で、もっと端的な言葉がないだろうかというりんの意見に、シマケンは、西周先生は「オブザーブ」に「観察する」という日本語を訳していると教える。
西先生は哲学者だがもともとは御殿医の家柄で、科学や医学の分野における訳語が独特でうまい、とシマケンは尊敬の口調で語る。
「観察」とはもともとは仏教の言葉で「あるがまま観て、ものごとを見極める」ことだと言うシマケンに、りんは「もしかしてお寺の(かた)?」と聞く。シマケンが何者か、りんの肩書当てはネタとして続いている。
りんはシマケンのありがたい言葉をきっかけに自分の心を観察して、看護婦への迷いがなくなったと礼を言う。
ちょっとうれしいシマケン。だが、りんは日曜の午後7時までしか外出できないので、なかなか会えそうにないことを知って、「それは残念」とつぶやく。
りんはシマケンに特別な感情はいまだないようだが、シマケンは明らかにりんのことが気になっているように見える。







