「これらを使いこなせれば、MBAで学習する課題の8割以上に対応できる」
そう謳うのが、書籍『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(ダイヤモンド社)だ。この本は、国内で圧倒的なシェアを占める日本No.1のビジネススクールであるグロービスが、授業やコンサルティングの現場で定番となっている「有名フレームワークTop100」を厳選し、使いやすさを重視して図解したビジネス書である。
ビジネスの定石であり先人の貴重な知恵であるフレームワークを使いこなせれば、それだけでビジネスパーソンの生産性は何倍にも上がるという。
この記事では、そんな同書から一部を抜粋・編集し、あらゆるビジネスパーソンにとって強力な武器となるフレームワークの重要性について紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・上村晃大)

「説得力が全然ない人」が陥る「ピラミッド構造」の罠・ワースト1Photo: Adobe Stock

ツールに振り回され、説得力がない人たち

ビジネスの現場において、自分の考えを正確に伝え、相手を納得させる「論理展開の力」は不可欠です

仕事ができる人は、思いつきで話すのではなく、頭の中でしっかりと論理の構造を組み立ててからコミュニケーションをとっています。その際に役に立つのが、「ピラミッド構造」という強力なフレームワークです。

しかし、中にはこのフレームワークに振り回され、結果的に説得力を失ってしまう人がいます。

今回は、残念なビジネスパーソンが陥りがちな、ピラミッド構造の罠について解説します。

ワースト1:「『結論ありき』で情報を集める」

論理展開の基本ツールである「ピラミッド構造」とその注意点について、『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』では次のように解説されています。

ピラミッド構造は、高い論理性が求められるコンサルティング・ファームでよく用いられる論理展開のフレームワークです。マッキンゼーの元コンサルタント、バーバラ・ミント氏によって体系化されました。
ピラミッド構造は、図表1のように一番上にメインメッセージの主張(考案段階では仮説。根拠がそろうにつれて、確固たる主張となる)があり、その下に主張を支える2~4つの根拠、さらにその下には根拠を支える根拠がある……と、まさにピラミッドのような構造になっています。
「説得力が全然ない人」が陥る「ピラミッド構造」の罠・ワースト1図表1 ピラミッド構造
――『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(36~37ページ)
ピラミッド構造を用いた論理展開に関してよくある過ちは、まず結論ありきで、それに都合のいい情報のみ集めて論理を組み立てることです。
ただ、そうした論理構造は、鋭い聞き手にすぐに見破られて論破され、説得力を失うものです。多くの場合は枠組みの段階で偏っていることが多いので、バランスの良い枠組みとなっているかをまずは確認しましょう。
――『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』(39ページ)

上記の通り、最初から結論を決めてかかり、それに都合の良いデータだけを並べた論理は、非常に脆いものです。

偏りのない枠組みで相手を動かす

本当に説得力がある人は、自分の主張を通すために情報を歪めたり、偏った枠組みを作ったりしません。むしろ、「反対意見や自分にとって都合の悪い事実はないか」を客観的に見極め、それを踏まえた上でバランスの良いピラミッド構造を構築します。

鋭い聞き手や上司は、論理の「偏り」を一瞬で見抜きます。だからこそ、フラットな視点で情報を整理し、強固な根拠で主張を支えることが求められます。

自分の論理の枠組みが本当にバランスが取れているか、常に自問自答しながら、人を動かす「真の説得力」を身につけていきましょう。

(本稿は、『グロービスMBAキーワード フレームワークBEST100』の内容をもとに構成したオリジナル記事です)