相手が言葉にできていない思いを想像し、問いかけや相槌によってその思いを掘り起こし、掘り起こした内容を整理しながら話を進めていける。これこそが真に実践的な「仕事的コミュ力」です。
さらに、これらの3つの力を軸にしながら、「この人と話していると(良い意味で)つい話しすぎてしまう」「この人に話を聞いてほしい」と思われるような人、ちょっと大げさに言うと「自分の思いや考えを話すに値する」と思われる人こそが、仕事的コミュ力が高いといえるのではないでしょうか。
プレゼンで結果を出す人は
コミュニケーション力も高い?
コミュ力論についてもう1つ補足すると、「なめらかに理路整然と話せる力」をコミュ力と捉えている人も多いように感じます。
結論は冒頭で明快に述べ、淀みなく、適切な言葉で論理的に話を展開していく。まるで用意した原稿を読んでいるかのように、なめらかにスラスラと話せる。チームに1人いたら頼もしそうな存在ですよね。そんな人がいれば、ここぞという大舞台では頼りになります。
しかし、冷静に考えてみると、その文脈における「コミュ力」の中身とは、誰かの前で話すための「プレゼン力」です。どちらかといえば一方的であり、演説に近い。日々の仕事の場で求められる地道で双方向のコミュニケーション能力とは似て非なるものです。
もちろん、プレゼン力が重要な大一番の場面もあります。たとえばその1つが、広告会社で働いていると避けて通れない「競合」です。
1つのクライアントに対して複数の広告会社がそれぞれチームを組んで戦略やアイデアを提案し合い、クライアントは最終的に1つの広告会社をパートナーとして選ぶ、なかなかしびれるプレゼンです。
各広告会社とも気合の入った提案を行ないますので、そういう時にプレゼン力のあるリーダーがいると、じつに心強いものです。
しかし、本当に大事なのは、競合プレゼンに勝利したあとです。プレゼン時は理想的な戦略やアイデアを話せばよいですが、実際にプロジェクトがスタートすると、想定通りに物事が運ぶことはまずありません。







