「自分の経験談が役立つはずだ」と自信満々にアドバイスする人もいれば、「何かしら上司として実効性の高いことを言わなければ」という義務感から、無理矢理にひねり出してアドバイスしている人もいるでしょう。
中間管理職であれば、「自分はこんなことを部下に伝えた」という、上への報告を意識したアドバイスをしてしまっている人もいるかもしれません。
ただ、いずれのアドバイスであっても、私のスタンスとしては一貫して「相手から求められていないのであれば、アドバイスはするべきではない」です。
じつはこの考え、キャリアカウンセリングを学んだことが大きいと感じています。
キャリアコンサルタントの資格を取得するために通っていた学校時代のこと。カウンセラー役とクライエント役に分かれて行なうロールプレイ(模擬カウンセリング)で、最初の頃、講師から何度も次のような指摘をもらいました。
「あなたは、相手の話を聞きながら、無意識に『こうしたほうがいいのでは?』というアドバイスをしてしまっていますね」
これはキャリアカウンセリングを学ぶ人の多くが、最初にぶつかる壁です。
部下が感じていることを
自然に話せる環境づくり
キャリアカウンセリングの世界において、カウンセラーに求められる3つの態度条件というものがあります。
それが、アメリカの心理学者カール・ロジャーズが提唱した、「受容」「共感(的理解)」「(自己)一致」です。
悩みを抱えている相談者が防衛の構えを解いて、自分が感じているままに感じることを促していくために欠かせない、カウンセラーの心がけのようなものと考えてください。
そして、その心がけは、1on1で部下が普段感じていることをそのまま話しやすくなる場づくりにも、非常に効果的だと私は思います。
キャリアカウンセリングでも、1on1でも、ほとんどすべての問題は本人にしか解決できません。本人が具体的なアドバイスを求めているのであれば、もちろんサポートの手は差し出したほうがいい。







