動かない時計でいえば、分解して、ほこりが原因なら取り除く。部品が壊れているなら交換する。それでもだめなら新しいものを購入するでしょう。どこが問題なのかをはっきりさせることが大切です。

 これを例えば「電話応対が苦手」という人で考えれば、まずは、その中の何が苦手なのかを知ることが大切です。

 敬語が苦手なのか

 緊張するタイプなのか

 アドリブが苦手なのか

『伝える準備』書影伝える準備』(藤井貴彦・ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 より具体的に自分の苦手分野を把握することがとても大切ですし、そこまでくれば、自ずと解決法、努力の仕方が見えてきます。また、自分には向いていないという結論にたどり着くことも大切です。

 一方で、できない理由が解明できた時には、その後、飛躍的な成長が待っています。私はよく「苦手なものほど得意になる可能性がある」と後輩に伝えていますが、だいたいが苦手だと敬遠し、単なる食わず嫌いだったということが多いのです。

 なぜできないか、その理由に特化してじっくり分析する。

 その上で、信頼している先輩や上司に相談すれば、答えはさらに明確になるはずです。仕組みを知ることこそ、社会人の成長には最も大切だと考えます。書き出すことは、その過程で重要な役割を果たしてくれます。

ルールと仕組みを理解して
単純作業に落とし込む

 さて、ここからは余談ですが、私は文系の人間でありながら、高校時代は「物理」を選択していました。この物理という教科は、いわば地球上のルールを教えているのだと考えています。短距離選手の足の速さも、ホームランバッターのボールが飛ぶ角度も、階段を上る時に足がきつくなるのも、物理で説明ができます。

 軽やかに階段を上りたいなら、持ち上げたい物体を軽くすること。これを人間に当てはめると、体重を軽くすればいい……。つまり「適度に痩せる」ということですね。

 ルールと仕組みを解明し、単純作業にしてしまえばこちらのもの。最後の最後は「気合い」ですけれど、これも1つの仕組みですね。