藤井貴彦アナウンサー藤井貴彦アナウンサー 写真:新潮社提供

日本テレビの夕方のニュース番組「news every.」のメインキャスターを務め、そのコメント力が視聴者からも高い支持を得ている藤井貴彦アナウンサー。そんな藤井アナは、「自己肯定感は低めに設定したほうがよい」と考えているという。その理由とは。『伝わる仕組み 毎日の会話が変わる51のルール』(新潮社)から一部抜粋、再編集してお届けする。

その一言は
「おせっかい」か「金言」か

 私は担当する夕方のニュース番組で毎日、4人の後輩アナと仕事をしています。

 ここにフリーアナウンサーやタレントを合わせると、年下の共演者6、7人と一緒に仕事をしています。みんなまだ若いので、教えてあげたいことがたくさんあるのですが、言うべきか言わないでおくべきか、日々悩んでいるところです。

 私が「言う」と決める時は、このままでは誰かが不利益を被ったり、人を傷つけたりする場合です。つまりそこに「第三者が存在する場合」には積極的にアドバイスや指導をしています。

 以前にこんなことがありました。

 高校野球のニュース原稿に「あわやホームラン」という表現があって後輩はそのまま読みました。もちろん文法的には正しいのですが、この表現には「ホームランにならなくてよかった」という意味が含まれていて、一方のチームだけを応援することに繋がります。これは学生スポーツの伝え方としてはふさわしくありません。こんな第三者の利益、不利益が絡んでくる場合は、その場で本人に伝えます。