まずここから! 現実的な「降圧目標値」

しかし、年齢を重ねると少しずつ血管の弾力性が失われるため、現実には多くの人がこの理想的な基準を超えてしまっています。そこで、日本高血圧学会は、高血圧と診断された方や血圧が高めの方がまず目指すべき「降圧目標値」を定めています(出典:『高血圧管理・治療ガイドライン2025』)。

【診察室血圧】(病院の診察室で測定した場合)
上の血圧:130mmHg未満
下の血圧:80mmHg未満
【家庭血圧】(家庭で測定した場合)
上の血圧:125mmHg未満
下の血圧:75mmHg未満

目標値が2つあることにお気づきでしょうか? 実は、病院で測る「診察室血圧」は、医師や看護師を前にしたり、病院という環境にいたりする緊張から、普段よりも血圧が高くなりがちです。そのため、病院での目標値は、リラックスした家庭で測定した場合よりも「5mmHg」高く設定されているのです。

脳を守るための「正しい血圧の測り方」

これらの目標値をクリアし、脳の寿命を延ばすためには、病院で時々測るだけでなく、ご自宅での「家庭血圧」を正しく把握することが何よりも重要になります。今日から始められる正しい測り方のコツをご紹介します。

➊毎日同じタイミングで測る

朝は「起床後1時間以内・排尿後・朝食前・服薬前」、夜は「就寝前」に測るのが基本です。毎日同じ条件で測ることで、正確な変化に気づくことができます。

➋リラックスした状態で測る

椅子に座って1~2分ほど安静にしてから測定しましょう。背もたれに軽くもたれ、腕の力を抜いて深呼吸をすることがポイントです。

血圧は、目に見えない脳の健康状態を教えてくれる大切なバロメーターです。毎日の正しい測定でご自身の血圧としっかり向き合い、まずは現実的な「家庭での降圧目標値(125/75未満)」のクリアを目指しましょう。その日々の小さな積み重ねが、10年後、20年後のクリアで若々しい脳を守る最強の防衛策となります。

※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。