5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?#32Photo:123RF

中国勢の低価格攻勢や米国関税の逆風下でも、タイヤ大手2社の収益は持ち直している。ブリヂストンは事業再編と高付加価値タイヤの拡販、住友ゴム工業は「ダンロップ」ブランドの世界展開を成長軸に据える。2社の中で世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#32では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、ブリヂストンは若手の社員、住友ゴムはシニア世代が勝ち組となる一方、両社とも就職氷河期世代が劣勢だった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

中国勢・米関税の逆風でも増益
ブリヂストンは再編、住友ゴムは「ダンロップ」

 世界のタイヤ市場では、中国メーカーによる低価格品の供給が拡大し、価格競争が激しさを増している。米国の関税や人件費の上昇も重く、販売数量を追うだけでは利益を確保しにくい。タイヤ大手2社は、値上げや高付加価値品へのシフト、海外拠点の再編によって収益性を高めようとしている。

 ブリヂストンの2026年1~3月期の売上収益は前年同期比5.2%増の1兆1134億円、純利益も21.4%増の921億円に伸びた。天然ゴムなどの原材料価格が低下したほか、高単価商品の販売増なども増益につながった。米国関税は減益要因となったが、値上げやコスト削減で打ち返している。

 同社は、低採算事業からの撤退や海外工場の再編を進める一方、市販用のプレミアムタイヤや鉱山車両向けの超大型タイヤを伸ばす。26年12月期は純利益3400億円と前期比3.9%の増益を見込み、最大1500億円の自社株買いも打ち出した。中国勢との価格競争を避け、高付加価値品で稼ぐ体質への転換を一段と進める構えだ。

 一方、住友ゴム工業の成長戦略の中心にあるのが「ダンロップ」だ。25年1月に米グッドイヤーから欧州・北米・オセアニアの四輪タイヤに関する商標権などを取得し、北米に続いて26年1月から欧州でも販売を始めた。26年1~3月期の売上収益は前年同期比5.0%増の3022億円、純利益は同2.4倍となる86億円だった。日本での新車向けタイヤや欧州での市販用タイヤの販売本数が伸びたことが寄与した。

 もっとも、住友ゴムも楽観できる状況ではない。北米では関税の影響で販売数量が減り、アジアでは中国メーカーの価格攻勢や消費者の節約志向が重荷となっている。26年12月期は純利益550億円と前期比9.2%の増益を見込むが、原材料高や米関税負担を価格転嫁とコスト削減で吸収できるかが焦点だ。

 ブリヂストンは「プレミアム化とグローバル再編」、住友ゴムは「ダンロップを軸としたブランドの再構築」で成長を目指している。もっとも、足元の業績や事業環境がどうであれ、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。

 今回はブリヂストン、住友ゴムを取り上げる。2社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。

 対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。

 試算の結果、ブリヂストンは若手の社員が勝ち組となった。一方、住友ゴムではシニア世代が最上位だった。ただし、就職氷河期世代が割を食う点は両社に共通している。次ページでその詳細を確認しよう。