2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』が刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の内容をもとに、抜粋・再構成して特別公開する。

組織の違和感Photo: Adobe Stock

「自分はこうだ」と決めつけない

 組織開発の中で、「自分を変えたい」という相談はよくあるものです。

 その悩みの前に、そもそも考えてみたいことがあります。
 それは、人は立体的で多面的な存在だということ。

 ある特定の接し方や性格が固定されているわけではなく、環境によって、その人のどんな面が引き出されるのかが違ってくる。

 人は「揺らぐ」もの、という前提です。

 いつも同じような人と仲よくしている人や、いつも同じような役回りをしている人は、「自分はこうだ」と固定化しやすい気がします。

 ですが、昔からどんな場面でも、誰に対してもそうだったでしょうか?

 家の中と外で違ったり、友だちでも知らない自分が出てきたように新鮮な気持ちになれる相手がいたり。

 ぜひ自分はこうだと決めつけずに、これまでの瞬間を振り返って、自分を立体的、多面的に観察してみたいところです。

自分を知るからこそ、環境の大切さがわかる

 そうすれば、「自分を変える」というのは、自分の内面を変えることではなく、外部環境との接続の仕方を調整することだととらえ直すことができるでしょう。

「自分を知る」ということの芯を食うと、ドーナツのように自分の外側(環境)の大切さに気づくのです。

 そう言うと、「自分の努力で変えることはできないんですか?」と質問を受けることもよくあります。

 悩んでいる人にとって切実なのはわかるのですが、あくまで持って生まれた資質ですから、自分をねじ曲げ無理をしてまで変えようとする必要はありません。

 自分の持ち味を活かした環境の調整、それを一番に考えていきましょう。