年を重ねるほど、人付き合いはしんどくなる。かつては楽しめたはずの場なのに、今はただ疲れるだけ――そんな変化を感じたことはないだろうか。『人生は「気分」が10割』の著者、キム・ダスル氏の新刊『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した本稿では、ライターの柴田賢三氏に「人間関係の整理」についてのエッセイをご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)
Photo: Adobe Stock
面倒な人間関係が
時間をどんどん奪っていく
仕事をしていれば、人付き合いは不可欠だ。
若い頃は人脈を広げるために、あらゆる会合に顔を出し、性格的にちょっと合わないなと感じる人とも頻繁に酒食をともにしてきた。
しかし、50歳を過ぎたあたりから、こうした会合が苦手になってきた。それまでは聞き流すこともできていた誰かの悪口や、相手の自慢話、世の中への不満も「時間がもったいない」と感じるようになったのだ。
人間は、年を重ねるごとに寛容になるものだと思っていたが、どうもそうではないらしい。なんだか自分が嫌になり、久しぶりに会った先輩に打ち明けると、あっさり同意してくれた。
「もう、この年になると面倒くさい人間関係は切りたくなるもんだ。この先、こいつと付き合っていても時間の無駄だと感じるヤツとは疎遠になっていいと思うよ」
仕事上の付き合いがある人とは、そうもいかないと考えがちだが、もう社会人としてのゴールテープがうっすら見えてくる年代になれば、その人との関係がなくなったところで、そんなに困らないはずだということもわかるはず。
人生後半は
“人間関係の断捨離”を
“人生の指標”となる言葉の数々を収録している本、『人生は期待ゼロがうまくいく』の中には「人付き合いは『余韻』で決める」という項目がある。
著者のキム・ダスル氏は、人付き合いを「食事」に例える。ジャンクフードのような刺激の強い食べ物は、ときにデリバリーを使ってでも食べたくなるが、体に悪い。一方、自炊での食事は刺激も感激もないが、胃もたれも肌荒れもしないとして、こう続ける。
人間関係もこれとよく似ている。出会う前には胸が高鳴り、会っている最中も楽しい。ところが別れたあとにどっと疲れたり、モヤモヤしたり、虚しさに包まれるような相手なら、その人との関係は、自分にとってマイナスだ。
――『人生は期待ゼロがうまくいく』(p.19)
この本を読んだあとに、自分の仕事上の人付き合いを思い返すと、帰りの電車でどっと疲れが出るような会合がほとんどだと気付かされた。こういう地味なストレスが蓄積されると、中高年はいずれ大病にもつながりかねない。
“後味”が悪い飲み会なら、徐々に参加する回数を減らしてでも自分を守ったほうがいい。
(本記事は『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した書下ろしエッセイです)
大学卒業後、複数の出版社や不動産会社での社員を経てフリーライターとして独立。週刊誌、月刊誌、WEBメディアなどで記者、編集者を経験した。事件、芸能、スポーツ、サブカルチャーまで幅広く取材に携わり、のちに新聞やテレビでも大きな話題になったスクープをモノにしたこともある。





