違いを認め合い、本質的な人生を大切にする

この境地に達すると、他人と比較することもなくなります。「限られた時間でアトラクションを制覇した人」も、「公園を散歩してお茶だけして帰ってきた人」も、お互いの楽しみ方を尊重し合えるようになります。「それはそれでよかったね」「私はもう無理だけど、楽しめてよかったね」と認め合えるのです。

年齢を重ねると、それぞれの好みの生き方が明確に違ってくるため、比較が無意味になります。自分にとって本質的な人生を大切にできるこの生き方は、ある意味で年齢という「ギフト」だからこそできることだと思います。

「年を取りたい」と願ったパートナーの言葉

最後に少ししんみりしてしまうかもしれませんが、亡くなったパートナーのお話をさせてください。彼がまだ元気だった頃、体調を崩す前のごく日常のなかで、ふと「年を取るのが羨ましい」「早く年を取りたい」と呟いたことがありました。

彼は大変な頑張り屋で、それこそ「テーマパークのすべてを攻略する」ように、いつも全力で走り続けているような人でした。だから、年齢を重ねたからこそ見える景色や、良い具合に力が抜けていくことに憧れていたのではないかと、今になって思うのです。

私たちは、年を取ることができます。だからこそ、その特権を活かして、素敵に年齢を重ねていこうではありませんか。そんな思いを込めて、締めくくらせていただきます。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。