YOASOBI「アイドル」のみならず、米津玄師「KICK BACK」やAdo「新時代」など、日本のみならず海外でもヒットした楽曲が上位に並ぶ。
J-POPは新たなフィールドの扉を開いた。「アイドル」はその号砲を打ち鳴らした1曲になったのである。
では、なぜそれが2023年というタイミングだったのか?なぜYOASOBIだったのか?海外でのヒットは決して偶然のラッキーパンチではない。その背景には、数年にわたって水面下で進んできた構造的な変化があった。その地殻変動が表面化したのがこの年だったのである。
Spotifyの日本ローンチが
J-POP市場を激変させる
きゃりーぱみゅぱみゅやBABYMETALなど2010年代の海外進出と、YOASOBIを筆頭にした2020年代の「J-POPのグローバル化」は何が違うのか。変化の起点は、2016年にある。
この年、Spotifyが日本でローンチした。Apple MusicやLINE MUSICなど他のストリーミングサービスは2015年からサービスを開始していたが、プラットフォームとして「J-POPのグローバル化」に最も大きな役割を果たしたのは、やはりSpotifyだと言える。
その理由は、Spotifyが多言語多国籍のグローバルサービスであること、そして巨大テック企業の一部門ではなく、音楽カルチャーへの貢献が企業理念のDNAに刻み込まれていることがある。何よりSpotifyの日本法人であるスポティファイジャパンは、日本の音楽文化を世界に届けることを明確なコーポレートメッセージとして打ち出していた。
2021年に代表取締役に就任したトニー・エリソン氏は筆者の取材にその意志についてこう語っている。
「僕が個人的にも強く思っているのは、日本のコンテンツがもっともっと海外に出ていってほしいということです。その後押しをしなきゃいけないと思っています。Spotifyとして日本のコンテンツを世界のネットワークで発信していきたいし、それを援護していきたい」(Rolling Stone Japan「Spotifyが描くエンタメの未来、音楽と音声コンテンツの可能性 日本法人新代表が語る」2021年11月28日掲載)







