大森元貴《純粋にめちゃめちゃ嬉しくて楽しいです。こんなにやりがいのあることはないし、非常に光栄です。と同時に「夢って叶っていいんだっけ?」みたいな感じもしますね。構想も言ってることも昔から変わってないので。

 昔は「なんで伝わらないんだろう?」とか「どうやったらいいんだろう?」とか、身内も含めてフラストレーションがあったんです。でも、自分の言葉を伝えるにはどうしたらいいかを考えられるようになってきた。それが俗に言う"上手くいっている"状態だと思うんです。

 でも、恐ろしいですけどね。「こんなことあっていいのかな?」みたいなことも思いますよ。チャートとか見て引きますもん。これは日本の音楽業界的にあっちゃならないことだと思っているんで。

 別に何かに疲弊したりすり減らしたりしている感覚はなくて、ただそれを楽しませてもらってる、精一杯やらせてもらってるだけなんですけど、「大丈夫、これ?」みたいなことも思います。それは率直な感覚です》(オリコンニュース「Mrs. GREEN APPLE大森元貴『多くの人に見てもらえる機会が増えた』今だからこそ必要だった『天国』【インタビュー】」2025年5月6日掲載)

 彼が「率直な感覚」として語った「大丈夫、これ?」という言葉。それはとても批評的で、深い問いかけであると思う。

ジャンルの壁に立ち向かうため
始めたイベント・CEREMONY

 もうひとつ、訊きたいことがあった。今の大森元貴は、何と戦っているのだろうか。ミセスの競争相手として、どんなものをイメージしているのだろうか。

――では、今、あえてミセスのライバルを世の中に見出すならば、どういうものだと思います?特定の誰かというよりはもっと大きなもの、たとえば何かの概念とかでもかまわないので、どうでしょうか。

 大森元貴《ミセスのライバルは「ジャンル」という概念じゃないかと思います。「ジャンル」という言葉がものすごい壁になっていると感じていて。バンドであることだったり、アイドルだったり、そこの壁が日本ではすごくハッキリしている。