「努力しているのに、なぜか評価されない」
そんな経験はないだろうか。遅くまで働き、目の前の仕事もこなしている。それでも、小さい仕事ばかり任されてしまう人がいる。一方で、同じように働いていても、なぜか評価され、大きな仕事を任される人もいる。
その差は、努力の量ではない。「必要なのは、努力の向きを変えることです」と語るのは、815社・17万3000人の働き方改善を支援してきた専門家・越川慎司氏だ。同氏の著書『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』では、職場で評価される人たちの共通点が明らかにされている。この記事では同書から、評価された人の98%が大事にしていた「仕事の習慣」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

「努力が評価されない人」が仕事で見落としていること・ワースト1Photo: Adobe Stock

「小さい締め切り」をないがしろにしていないか

 締め切りは守る。

 これを徹底している人は多いだろう。

 実際、多くの人が「締め切りを守る意識」は持っているようだ。

 815社17万人の「働き方改善」を支援してきた専門家である越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』で、一般的なビジネスパーソンの「締め切り遵守率」を紹介している。

 各社での週報および経費精算の期限遵守率を調べたところ、一般社員の遵守率は71%でした。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より引用

 7割も締め切りを守っているなんて、多い。

 そう感じたかもしれない。

 しかし越川氏は、こうも指摘している。

 重要なタスクの期限はきちんと守るように努めている人は多いでしょう。しかし、自分の業務に関係のない提出物や、後輩からの相談への返信といった軽いタスクになると、つい実行が後ろ倒しになる人がほとんどです。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より引用

 心当たりがある人も多いのではないだろうか。

「遵守」は当たり前で、さらにその上をいく

 では、評価されている人たちはどうなのだろうか。

 越川氏は同書で、同じ調査の「出世が早かった人たち」の回答結果も紹介している。

 それは、なかなか衝撃的だ。

 同じ調査を、期待されている人たちにおこなったところ、その結果は98%だったのです。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より引用

 遵守率98%
 締め切りを過ぎるなんてことは、あってはならないのだ。

 しかも、それだけではない。

 期待されている人ほど、休暇計画の提出や経費精算の申請といった小さなタスクの期限を驚くほど正確に守ります。むしろ、期日より早めに提出することを当たり前にしていました。
「努力が評価されない人」が仕事で見落としていること・ワースト1
イラスト:カワバタユウタ
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より引用

 締め切りを「守る」のは当然。

「前倒しで終える」のが基本なのである。

 だから、トラブルが起きても間に合う。
 だから、周囲から信頼される。

 この差が、そのまま評価の差になる。

上司が見ているのは「大きな仕事」ではない

 では、なぜそこまで締め切りを大事にするのか。

 越川氏は、ある役員が採用や抜擢の場でよく口にしていたという次の言葉を紹介している。

「小さな約束を守れない人に、大きな約束は任せられない
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より引用

 一見厳しい言葉だが、これは人事の現場では非常にリアルな感覚だ。

 小さな信頼の積み重ねが、その人らしさとして評価されているのである。

 いくら仕事を頑張る努力をしていても、小さい仕事の締め切りを守れていなければ、評価はされない。

 それでは、努力はいつまでたっても報われず、大きな仕事は任せてもらえない。

 期待されている人たちは、いかなる締め切りさえも遵守する姿勢によって、信頼を積み上げていたのだ。

(本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』に関連した書き下ろし記事です)