2026年4月16日、米ワシントンにて、ホワイトハウスの南庭で報道陣の取材に応じるドナルド・トランプ米大統領 Photo:CNP/JIJI
「米軍部隊を追加派遣する方針だ」という米国の脅しに、イランは動揺する気配を見せません。両者では異なるゲームのルール、それは生命至上主義に立つ者と、殉教を恐れない者の違い――。そして、イラン最高指導者が「最重要視する」と述べた国の名前と、本当の狙いとは?(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)
生命至上主義に立つ者と
殉教を恐れない者
「米国防総省が、中東に数千人規模の米軍部隊を追加派遣する方針だ」と、「ワシントン・ポスト」が4月15日に報じました。3隻目となる空母ジョージ・H・W・ブッシュを中心とする、6000人の兵力とのことです。
こうした脅しに、イランは動揺する気配を見せません。戦闘が再開されてチキンゲームになった場合、イランの被る打撃が大きいのは言うまでもありませんが、両者ではゲームのルールが異なります。それは生命至上主義に立つ者と、殉教を恐れない者の違いです。
4月3日に、米国空軍の戦闘機F-15Eがイラン上空で撃墜され、搭乗員2人のうち1人は救出されたものの1人が行方不明になったと報じられました。
米兵の命の値打ちを高め
地上部隊の投入が困難に
米軍は捜索のために数十機の航空機と100人を超える特殊部隊を投入し、銃撃戦の末に無事救出しました。この事件は、米兵1人の命の値打ちを高め、結果として地上部隊の投入を難しくしました。
一方イランでは前回の記事で触れた通り、モジタバ・ハメネイ師が3月20日にイラン暦新年のメッセージを発表。その中に、次の一節があります。







