イラン新最高指導者の声明でわかった「意外な現状認識」と「これからの政策」【佐藤優】イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師(最高指導者事務所提供) Photo:AFP PHOTO/HANDOUT/KHAMENEI.IR,AFP=JIJI

イランによるホルムズ海峡の封鎖が続き、エネルギー危機が広がっています。イランの最高指導者に就任したモジタバ・ハメネイ師の胸の内とは――。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)

ホルムズ海峡を封鎖
徹底抗戦のイラン

 イランによるホルムズ海峡の封鎖が続き、エネルギー危機が広がっています。米国は湾岸地域の兵力を増強し、イランは徹底抗戦の構えを崩していません。イランの最高指導者に就任したモジタバ・ハメネイ(モジュタバー・ハーメネイー)師の胸の内を、知っておかなければなりません。

 モジタバ師は3月20日、イラン暦新年のメッセージを発表しました。イラン暦では、春分の日が新年なのです。その日本語訳の全文を、イラン政府の運営するウェブサイト兼ラジオ「ParsToday」が報じています。

 表題は、〈イラン暦1405年(西暦2026~27年)の年頭に当たっての新最高指導者の新春メッセージ「1405年は『国民の団結と国家安全保障の下での抵抗経済の年』」〉。

イランの今後の政策を
予測する上で重要な資料

 この文書は、イスラム神学のスタイルで書かれた国家安全保障ドクトリンであり、内政、戦時認識、経済政策、外交方針、情報統制の全てが含まれています。イランの現状認識と今後の政策を予測する基礎資料となる重要なテキストなので、分析しておく必要があります。