学生優位の就活市況が続き、企業はキレイゴトばかり言っていられないという本音があるかもしれません。労働力人口が不足する中、若く優秀な人材を採用するのがあらゆる企業の課題となっているので、つい囲い込みたくなる気持ちは分からなくもありません。
その背景には「充足人数ありき」の採用計画になっている構造も挙げられます。「内定辞退率」をいかに下げるかがKPIとなり、人事部や採用担当現場に圧力を生み、その歪みがオワハラとして表出する可能性があります。
「あの会社はそういう会社なんだ」
SNSで拡散、早期離職、問題社員化も…
さらに、企業のオワハラ行為にはこれまで解説したリスク以上に深刻な点があります。それは、オワハラ行為を受けた学生側が大学などに相談する前に、就活口コミサイトやSNSなどに投稿することです。
生々しい会話内容がひとたび拡散されれば、たとえ1つの対応であっても「あの会社はそういう会社なんだ」と企業体質として変換されます。その結果、情報感度の高い学生・若者ほど応募しなくなり、結果的に母集団の質と量が低下します。
また、囲い込みによって一時的に承諾を獲れたとしても、本人に納得感の低さは残ります。結局は内定辞退、それも入社直前のキャンセルにつながりやすくなります。
さらにいえば入社後にミスマッチが顕在化し早期離職、問題社員化(たとえば退職代行を使うなど)するケースを、私も実際に見てきています。
まとめると、採用段階での過度な囲い込みは一時的に承諾率を押し上げることはあっても、その歪みは企業ブランドの毀損として顕在化し、母集団形成・定着の双方に悪影響を及ぼします。
現在は就活が可視化されやすい環境であり、個別の対応が企業全体の評価へと直結します。オワハラ的な対応は、中長期的なブランド価値を損なうリスクをはらんでいます。







