「4000億円赤字」転落のホンダに残された〈最強の切り札〉とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA
ホンダの四輪事業が深刻だ。日米欧に加えて中国やアジア諸国の市場でも販売台数を減らしている。厳しい状況だが、打開策はきっとあるはずだ。ヒントは1997年に登場したトヨタの「プリウス」に続いて、99年にホンダが投入した「インサイト」にある。積み重ねてきた技術力で競争力を発揮することは、ホンダが最悪期を脱するひとつの解になるのではないか。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
優等生トヨタも減益予想…
苦境のホンダは再浮上できるのか
最新の企業決算を見ると、大きく2つの傾向が見て取れる。ひとつは、AI(人工知能)関連企業の決算が好調なことだ。向こう5~10年、AIが世界経済の中心になることが容易に想像できる。
もうひとつは在来型の産業、特にこれまで主要国の大黒柱であった自動車産業が厳しいことだ。わが国も例外ではない。例えばトヨタ自動車は、中東情勢の影響もあり2027年3月期の連結純利益が前年比22%減の3兆円になる見通しを発表した。そうした中で注目されるのは、ホンダが予想以上に苦戦していることだ。
自動車業界で勢いがあるのは一部の中国メーカーだけで、それ以外の主要メーカーはいずれも苦戦を強いられている。優等生と言われてきたトヨタは、全方位型(フル・ラインナップ)の戦略で米国のハイブリッド車(HV)需要を取り込み、それなりに善戦しているものの、イラン戦争による生産減で収益にやや変調が見られる。
一方、ホンダは26年3月期の連結営業損益が4000億円規模の赤字に転落したもようだ。25年3月期は1兆2134億円の黒字を出していたので、その落差はあまりにも大きい。中国事業の減速や、EVシフトの失敗が、かなりの大ダメージを与えている。
ホンダの喫緊の課題は、四輪車事業の立て直しにある。その選択肢のひとつに、同社が強みとする「ある技術」を生かせば活路を見いだすことができそうだ。主要市場である米国やアジア新興国地域で、この需要を取り込むことがカギとなるだろう。
とにかく迅速に実行することが求められる。ホンダの業績が安定しないと、日産自動車との協業検討にも影響を与える。ホンダと日産の直接・間接の取引先(サプライヤー、いわゆる下請け、孫請け企業)は2万社規模に達するといわれる。日本経済を支える自動車産業ひいては製造業全体の国際競争力に関わる問題だ。では、その技術とは何か。







