性的関係を断られ、
「裸の写真をさらす」と脅し……

 融資の際に締結していた借用書が、有力な証拠となったケースもある。

 2024年に50代の会社員(男C)が貸金業法違反(無登録営業)と出資法違反(高金利)の疑いで書類送検された。2024年2月に女Dから、「SNS上で知り合った男性とトラブルになっている」と警察への相談があり、この事件が発覚した。

 当初、女Dからの相談に対応していた警察官は、リベンジポルノに類する被害と捉え、男Cに対して警告を発する程度の処理で済ませようとしていた。しかし、相談処理の過程で書類に目を通した別のベテラン警察官が、貸金業法違反の可能性を認識し、捜査に着手することとなった。

 ベテラン警察官が女Dに話を聞いたところ、もともと女Dは男Cから25万円を借り入れていた。契約にあたり男Cは、貸金業の法定利息を大幅に上回る利息を女Dが支払うという条件を提示した。その際、行政書士を介して個人間融資に関する借用書を2通作成し、偶数月に返済は対面で行うという内容の契約を締結させていたという。

 加えて、男Cは女Dに裸の画像と個人情報の提供を求めていた。その後、男Cは借用書には記載がない追加条件として、面会時における性交渉を求めた。

 女Dはやむなく1度は性的関係を持ってしまったが、その後も男Cから執拗に性交渉の要求があり、女Dはそれを断っていた。以降、男Cは女Dに対して「裸の写真をさらす」と脅していたのだ。

 警察による捜査の過程で、男Cの携帯電話内の記録、銀行口座、電子メールなどから、少なくとも女性10名以上の被害者が存在することが判明した。被害者の中で実際に協力を得られた女性を対象に捜査を進めた結果、この男は直近1年間で、少なくとも女Dを含む3名の被害者を対象に合計183万円を貸し付けていたことが確認された。その後、男Cはこれら容疑を認めた。

 男Cは犯行を行う際、個人間融資の仲介サイトに被害女性たちが書き込んだ「融資を希望する」内容のメッセージを見て、女性たちに連絡を取っていた。その後の連絡はLINEなどのSNSを通じて行っていた。男Cは女性たちから入手した個人情報(裸の写真、居住地、年齢、貸し付け希望額等)を基に、貸し付ける相手を選別していたという。

 この事件では男Cが被害者との間で交わした借用書の1通を被害者に渡していたことが、犯行を立証する上で有力な証拠となった。