しかしながら、男Eは女Fの返済が滞ると担保として差し出された動画をネット上に流布すると脅かし、利息の一時的支払い猶予の代わりとして、女Fに性的関係に応じるよう強要した。
この結果、女Fは何度か男Eと性的関係を持つことになった。その行為は段々とエスカレートし、避妊具を付けない性交を要求されるようになり、女Fは妊娠してしまった。
このため、女Fは男Eによる過度な性的要求に怖くなり警察へ相談する決心がつき、警察も捜査に着手することとなった。
捜査の過程で他にも被害者が数名いることが判明。他の被害女性も同様の被害を経験した可能性が高いため、警察は被害者保護と救済を前提に事情を聴き取ろうとした。
しかし、他の被害者からの協力は得られなかった。
関係者の証言から、男Eに過度な性行為を繰り返されたことで、本事件の被害女性には「思い出したくない」という気持ちが強いだけでなく、自身の裸が動画として男性側に記録され、それが公表されることへの不安も払拭できないため、捜査協力への拒否姿勢が頑なになったのではないのかと推察された。
最終的に男Eによる反復継続的な貸し付け実態の証拠が不十分だったため、本事例は不起訴処分となった。
男性による過度な性的行為を強いられた女性が警察に相談したことで発覚したこの事例の場合、男性が女性に要求する性的行為をエスカレートさせなければ、事件は表に現れなかった可能性は高い。
つまり、資金需要のある女性に過度な性的行為を求めないのであれば、ひととき融資の事件は社会の水面下で浸潤し続けるだろう、ということだ。
さらに、男性が警察への被害相談をためらわせる状況に女性を追い込んでいる可能性も否定できない。事実、性行為が動画として男性側に記録される事例も多々ある。
そればかりか、貸し手の男が自分に不利となる貸付行為に関するメッセージを意図的に削除し、資金需要を求める女性側のメッセージだけを残すことで、被害届を提出した女性が逆に売春防止法違反の可能性を検察から指摘される事例もある。
つまり、男性側による貸し付け意思の表明が証拠として残されていないのであれば、女性による資金需要の申し出が、逆に売春防止法違反となる可能性もある。こうしたケースが散見されるようになると、女性に不利となる形態でひととき融資が一段と法の潜脱性を高め、社会にはびこっていく可能性が懸念される。







