反社会勢力介入のリスクも
解決策は?

 一度ひととき融資に取り込まれると、被害を相談したくともできないという心理的な罠にはまってしまう。さらに相談したとしても、借り手である男性側の貸付行為が業として立証されなければ、高金利での返済を求められるという法的な罠も潜んでいる。

 つまり、ひととき融資とは被害に遭った女性を性的な隷下に置いた「債務の檻」に閉じ込めた上で、心理的並びに法律的な側面から支配し続ける極めて狡猾なヤミ金融だといえる。

 また、ひととき融資に流れる資金需要者が消費者金融市場で弾かれる属性であるため、消費者金融業界側からの何らかの手当を求める意見が複数の捜査関係者から提起された。

 つまり、消費者金融業界は各社が申し込みを拒絶した資金需要者に対して、業界団体や行政窓口、必要に応じては警察への相談を促し、ヤミ金融市場との接触を防ぐための対策を講じるべきであろう。借入困難者が過払い金返還の請求権をほぼもれなく有していた15~20年前と異なり、“過払い金バブル”が去った今日、弁護士や司法書士は借入困難者の救済活動に積極的ではない。

「債務の檻」に閉じ込められる前での何らかの介入は有効である。ヤミ金融が社会の裏で浸潤する中、消費者金融とヤミ金融の市場における連続性に目を背けることなく、特に日本貸金業協会は融資を拒絶され困った資金需要者を救済する体制を構築すべきである。

 限られた範囲で筆者が調査した中ではあるが、ひととき融資の市場に反社勢力が介入している形跡は見られなかった。しかしながら、反社勢力の介入の兆候も見られるため、警察は二次被害の発生も視野に入れる必要があるだろう。

 そして、本質的な問題解決策は金融庁が資金需要者の目線で庶民金融の制度を本気で再構築することである。本年12月で貸金業法が改正されてから20年が経つ。