「今、仕事をしているんだ」と抵抗するのが精いっぱい。

 令状を見せてほしいと頼むと、1人がそれらしき紙を取り出したが、一瞬かざしただけで、すぐにしまおうとする。頼み込んで読ませてもらうと、「マネーライフの株価を、株式100分割をして不正に吊り上げて……」などと書かれてある。

「風説の流布」「偽計取引」などという言葉も見えた。どうやら疑われているのは、子会社の「ライブドアファイナンス」周りのことらしい。

暴力団、脱税、資金洗浄
事実無根の罪まで報道

 担当の宮内氏(編集部注:当時ライブドアの財務担当幹部だった宮内亮治氏)がどこにいるのかと聞くと、中国に出張中だという。事情がまったくわからないまま捜査を見守った。

「何を調べてるんですか?」

 リーダーらしき人に尋ねるも、「それは言えません」と返された。

 彼らは手慣れた様子で、黙々と社員のパソコンや書類を押収していく。

 検察は僕の自宅はもちろん、元彼女の家まで捜索していると聞かされた。

 僕のマンションの玄関には報道陣が常時、何十人も張りついていた。少しでも僕の姿が見えようものなら、シャッターが切られ、レポーターがなだれ込んでくる。

 テレビや新聞には僕の悪人面。僕らはそれらの報道を通して、何の容疑をかけられているのか、ようやく理解できるようになっていた。問題は専門的な会計の解釈にあるようだった。暴力団との関係、脱税、マネーロンダリング(資金洗浄)などとも騒がれているようだったが、事実無根である。

 しかし、当然ながらライブドア株は大暴落し続けた。

 その責任は僕らが負わねばならない。株主代表訴訟も覚悟した。「僕は経営権を失うことになるのか」とぼんやり考えたりもした。

 最大の問題は、株主を大損させたことだ。とはいえ、それについては各マスコミや証券取引所、東京地検特捜部にも責任がある。

 マスコミは脱税、マネーロンダリングなどの完全なガセネタを紛れ込ませた。僕への悪意があるとしか思えない。

 また東証は、検察が起訴した段階で一方的にライブドアの上場廃止を決定している。「有罪」とも決まっていないのに妙な話だ。