堀江貴文氏と藤田晋氏堀江貴文氏と藤田晋氏 撮影:HARUKI

2006年のライブドア事件は、実業家・堀江貴文氏の人生を大きく変えた出来事だった。突然の強制捜査、逮捕、そして会社の崩壊――。夢もキャリアも一瞬で失われるなかで、人間関係にも大きな変化が訪れる。そんな状況でも変わらず寄り添ったのが、サイバーエージェント会長の藤田晋氏だった。逆境のなかで見えてきた、2人の関係の本質とは。※本稿は、実業家の藤田晋、堀江貴文『心を鍛える』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

ニュースで知った
東京地検の強制捜査

 あれこれ悩む前に、好きなこと・やりたいことをやればいい。なぜなら僕は、これからお話しする「ライブドア事件」のせいで、30代の貴重な時間や大きな夢を奪われた経験があるからだ。

 結果、「この世は諸行無常」と認識するようになった。

 ここでは強制捜査がどのようなものだったか、お伝えしておきたい。

「ニッポン放送買収騒動」の結果、ライブドア所有のニッポン放送株1640万株を1株6300円でフジテレビに売却すると同時に、当社は第三者割当増資を行い、フジテレビに440億円分の出資をしてもらった。それで得た1000億円以上の莫大な軍資金を活かし、ライブドアを世界のトップ企業にしたかった。

 それが実現したら会社を辞めて、宇宙開発など、もっと新しい事業を展開できたかもしれない。しかし、そんな夢は一瞬で消え去った。

 2006年1月16日、市場が引ける午後3時の少し前。青ざめた広報担当者が、僕の席に駆け寄ってきた。

「NHKで、地検がライブドアに家宅捜索に入ったって言ってます」

 その場で東京地検に電話で確認をさせたところ、「そんな予定はない」との一点張り。「地検がそう言うんだから、ガセネタじゃないのか」と思った。何より、当事者である僕らが、ニュース経由で強制捜査について知らされるなんて、おかしいだろう(今考えても、3時間も先に報道されたのは、なんとも不可思議な話だ)。

 とはいえ、仕事が手につかない。外出するわけにもいかない。

 夕方6時頃、そんなところに地検が突然やってきた。彼らは会社に入ってきた途端、「これから強制捜査を開始する」と一方的に告げて、パソコンを押収しようとした。