朝起きたら、すぐに筋トレをすべきだと思ってはいないだろうか? だが、頭のいいマッチョほど、筋トレの前に「あること」を優先している。医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書き、世界20か国以上で続々刊行されている『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』からヒントを紹介しよう。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

頭のいいマッチョが「朝起きたら必ずやること」ナンバー1Photo: Adobe Stock

「良質なタンパク質」が必要

「マッチョ」と聞くと、朝早くからジムに出かけて、寝起きのまま激しい筋トレに励んでいる姿を想像するかもしれない。

 しかし、身体のメカニズムを熟知している「頭のいいマッチョ」が朝起きて最初に行うのは、ダンベルを握りしめることではない。彼らが最優先するのは「良質なタンパク質を摂取すること」だ。

 朝起きた直後は、睡眠中の絶食によって体内のアミノ酸が低下した状態になっている。そのため、空腹のまま高強度の運動を行うと、筋タンパクの分解が優位になりやすいのだ。

朝の筋肉は栄養を欲している

 では、なぜ、朝一番のタンパク質がそれほど重要なのか。

 医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書いた『筋肉が全て』では、一日の食事の中で朝食が果たす役割について次のように断言している。

 最初の食事で十分な量のタンパク質を摂取することで、代謝の最適化が始まって筋肉の成長が促され、空腹感が抑えられ、その他の生物学的プロセスに必要なアミノ酸を得ることができる。――『筋肉が全て』より

 睡眠中、私たちの身体は長時間の「絶食状態」にある。そのため、朝起きたときの筋肉は栄養を強く欲している。このタイミングで、筋肉の合成スイッチを入れる必須アミノ酸(特にロイシン)を含むタンパク質を十分に摂取することが、筋肉の成長と維持に不可欠なのだ。肉や魚、卵などの動物性食品が、最高のタンパク質源となる。

 さらに、朝にタンパク質を摂るメリットは筋肉づくりだけにとどまらない。朝食でしっかりタンパク質を補給すると、満腹感をもたらすホルモンが分泌され、一日を通じて無駄な食欲が抑えられることが科学的に証明されている。本書にはこう記されている。

 朝食でタンパク質を優先的に摂取することは、過食を防ぎ、食事の質を改善するためのシンプルな方法の1つだと言える。――同書より

 夜遅くにお菓子に手を伸ばしてしまうような「過食」の悩みの多くは、意志の弱さではなく、朝のタンパク質不足が原因かもしれない。頭のいいマッチョは、がむしゃらに身体を動かす前に、まずは「タンパク質」という燃料で身体を内側から整えるのだ。

 健康で引き締まった身体を手に入れたいなら、明日から朝一番の行動を変えよう。筋トレの前に、まずはたっぷりのタンパク質を身体にチャージすること。これこそが、理想の自分に近づくための最強のモーニングルーティンである。

(本記事は、ガブリエル・ライオン著『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』に関連した書き下ろし記事です)
 
ガブリエル・ライオン(Dr. Gabrielle Lyon)
医師(DO)
イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。