フランス人のミュージシャン、トーマス・マーズと結婚してから、すっかりパリジェンヌのイメージになったソフィア・コッポラ(注1)も、自分がクリエイトしたユニクロのUT(編集部注/ユニクロのグラフィックTシャツ専門ライン)に、エレガントなジャケットを合わせたスタイリングにして、Tシャツとは思えないようなゴージャスな着方をしていました。

虫食いの黒Tシャツを
ジェーンは宝物にしていた

 ジェーンはよく黒のTシャツを着ていました。

 それもよれよれに着古したもので、あちこち虫食いがあったのですが、それは父親の遺品だと言って、宝物のように大切にしていたものです。

 また東日本大震災の翌年、被災地支援のためジェーンに協力してもらって私が立ち上げた「アマプロジェクト」のTシャツを作ることになりました。それまでプロジェクトで販売していたのはブレスレットのみでしたので、Tシャツは新たな試みです。ジェーン、シャルロット(編集部注/シャルロット・ゲンズブール。シャルロットとルー・ドワイヨンは、ジェーン・バーキンを母に持つ異父姉妹)、そしてジェーンの末娘のルー・ドワイヨン(注2)に、Tシャツにプリントする手描きの絵を頼みました。

 ジェーンは私が渡仏したときに、目の前で可憐な少女を描いてくれました。当時NYに住んでいたシャルロットからは、愛猫のデッサンが届きました。三女のルーは自分の手をなぞった線画を描き、東京でのライブのときに、手渡してくれました。

(注1)映画監督。『ロスト・イン・トランスレーション』や『マリー・アントワネット』などで知られる。父は『ゴッドファーザー』のフランシス・フォード・コッポラ監督。ヴェルサイユ生まれのミュージシャンであるトーマス・マーズと結婚してからフレンチシックのセンスの良さで注目を浴びている。マーズは人気バンド「フェニックス」のボーカル。

(注2)女優、モデル、ミュージシャン、絵画など、マルチな才能を発揮しているアーティスト。ジェーン・バーキンの末娘であり、父は映画監督のジャック・ドワイヨン。アメリカの詩人、エミリー・ディキンソンに傾注して、彼女の詩を歌詞にした曲を作ったことがある。パティ・スミスとも親しく、パティの本のイラストはルーが描いている。