「他人の問題に巻き込まれて疲れる」「NOと言えずにモヤモヤする」…そんな風に無理して“いい人”を続けていませんか? その原因は、自分と他人の「境界線(バウンダリー)」が曖昧になっているからかもしれません。本記事では、自分を大切にしながらストレスを激減させる【3つの境界線】をご紹介。他人の問題を上手に手放し、心穏やかな毎日を取り戻すヒントを覗いてみませんか? (構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】いい人をやめる…自分を大切にするための境界線・ベスト3Photo: Adobe Stock

バウンダリー(境界線)という考え方

今日のテーマは「いい人をやめる、自分を大切にするための3つの境界線」についてお話ししたいと思います。

最近、「バウンダリー(境界線)」という考え方がよく知られるようになってきました。これは、自分の問題と他人の問題をしっかり区別しましょう、という考え方です。

世の中には、本来は自分の問題ではないのに、他人の問題をまるで自分の問題のように引き受けてしまい、パニックになってしまう人がいます。当然ですが、他人の問題をなんとかしようと思っても、他人は変えられませんし、本来は本人が解決すべきことなのでどうにもなりません。

よくあるのが「毒親」のケース

また、自分の問題ではないのに他人の問題に口を出してしまうと、人間関係がぐちゃぐちゃになってしまいます。よくあるのが「毒親」のケースです。子どもが大きくなっても過干渉になり、子どもの問題なのに親が自分のことのように口出しをしてしまい、子どもも親もいっぱいいっぱいになってしまうというパターンです。

つまり、世の中の悩みの中には「これは私の問題ではなく、あの人の問題だ」としっかり線引きをして、「私がやらなくてもいい」「本人の問題だ」と割り切ることで解決するものがたくさんあるのです。

今日はこの「境界線」の考え方を中心に、無理にいい人でいるのはやめましょう、というコンセプトでお話しします。実践するハードルが低いと思われる順に、3つの境界線をご紹介します。

第3位:友人・知り合いとの境界線

まずは、友人や知り合いとの問題と、自分の問題を分けるという境界線です。まだ距離感がある関係なので、比較的意識しやすいと思います。

いつの間にか友人の問題に巻き込まれて、「私の問題じゃないのに、なんでこんなに苦労して悩んだり、手伝ったりしているんだろう」という状況に陥ることはありませんか? 人にしてもらうばかりで自分からは何も与えない「テイカー」と呼ばれるような人とは、きちんと区別をつけなければいけません。

例えば、漫画『ドラえもん』では、のび太くんがいつもドラえもんに泣きついてきます。しかし、本来これはのび太くん自身の問題であり、ドラえもんの問題ではありません。疲れているときはアドバイスすらしなくてもいいはずです。物語の構成上、ドラえもんが面倒を見てあげていますが、現実の私たちは他人のことでそこまで悩む必要は一つもないのです。

日常生活でも、毎回自分が幹事をやっている、車を出している、ご飯をおごっているのに、相手はそれが当たり前になっていてモヤモヤする……という経験はありませんか?

そういう相手には、言いにくくても「次は交代でやりましょう」「割り勘にしましょう」と伝えるべきです。それで逆ギレするような相手であれば、こちらから願い下げで構いません。「これは私の問題、あれはあなたの問題」と割り切り、縁が切れてしまってもいいと割り切ることが大切です。嫌われることを恐れると巻き込まれやすくなるので、まずはここからやめてみましょう。