人間の体はいつまでも逃げるようにはできていません。ですので、勉強や仕事で無理が続き、スランプに陥っていると感じたら、スランプを歓迎して休みを楽しみましょう。私は「スランプさん、ようこそ!」と唱えます。

ゴールデンウィークが明けたら
5月31日まで学校に来なくていい

 たとえば、京都大学の新入生は、小学校に入る前から必死になって勉強している人も多く、入学した時点で頭だけではなく体でもかなり無理をしています。大学に入って五月病になる学生が出てくるのは当然です。

 だから私は学生たちに毎年、「ゴールデンウィークが明けたら、5月31日まで学校に来なくていい。『待ってましたぜ、五月病!』と思って、とにかく好きなことをやりなさい」と言います。そもそも私の授業では出席をとらないので、学生は自主的に学びたいときに学べるようになっているのです。

 そうすると、多くの学生は6月くらいになったら、さすがに飽きて学校に出てくるようになりますが、最近はスランプが3年ほど続く人もいます。それだけ無理に無理を重ねて京大に入ったということでしょう。その場合も私は「4年くらい休んでいいんだよ」と言います。

 無理と疲れは早いうちにとったほうがいい。大学時代に回復しておかず、社会に出てからだと、もっとたいへんなことになります。京大ですと、学部生として4年、留年4年、休学4年と合計12年間は在籍できます。だから、12年目に卒業できればいい。その後の人生の長さに比べれば、このぐらいの回り道は何でもありません。

 もちろん、休学するには学費の算段も必要ですが、無理がたたってすべてを失ってしまっては元も子もないでしょう。

「それくらい君たちは無理をしている。そのことは君たちの体が一番よく知っているんだから、体の声に従いなさい」と言ってあげることが大事なのです。企業でもまったく同じで、そうした言葉をかける人がいれば、過労死は起きないはずです。