高年層の左派市民に比べて
活発ではない高年右派市民

 社会運動の寄付・カンパは、基本的には活動する団体を支援するためになされることが多いものです。また、何かしらの記念碑や施設の建設といったことで募られることもあります。尖閣問題激化の発端となった都の尖閣諸島購入に際し費用を募った結果、約14億円もの寄付がありました。

 表をみると寄付・カンパの経験は各年代で1割を超えており、4つの政治行動のなかでもっとも高い割合となっています。しかし、これは実態をとらえそこなっているおそれがあります。回答者のなかには、社会運動とは関係ない寄付・カンパ(たとえば災害募金など)を含めてしまった人もいるかもしれません。

 先の署名と同じく、ここでも高年層の右派市民、とくに伝統主義者と排外主義者の寄付・カンパが低調であることが注目されます。高年層の回答者全体と比べて明らかに低いのです。ネットワークの問題か志向の問題かはわかりませんが、高年の左派市民と比べるとその不活発さがより目につきます。

 ここで参照している調査は3・11後の社会運動の実態を明らかにすることが主な目的でした。したがって、「反原発運動」「反安保法制運動」に関する質問が多く含まれています。そうした調査内容に引っ張られて、ここでたずねられていることが自分事ではないと考えてしまい、右派市民の参加率が低く出てしまった可能性も否定できません。そもそも社会運動は「左派的」なものという前提が強くあるため、実際には活動しているのに、適切な回答がなされにくかった可能性もあります。

 そうした留保は必要ですが、この結果をそのまま受け止めるならば、デモへの参加や署名といった直接的な政治行動に関しては、(1)右派市民の4タイプにはさほど明確な違いは見出せない。(2)高年層の右派市民は全体からみても署名や寄付・カンパにおいて行動率が低い。(3)左派市民、とくに高年層の左派市民と比較するとその不活発さは顕著である。こうした特徴を指摘できるでしょう。