[図9]に2024年の衆院選(比例区)で、右派市民がどこに投票したのかを示しました。

表9 2024年衆院選(比例区)の投票行動同書より転載 拡大画像表示

 まず、自民党の得票率は2017年と比べるとかなり落ち込んでいます。反左主義者は半数が自民党に入れており、相対的には「固い」支持層であることがうかがえます。しかし、愛国主義者、伝統主義者は3割前後にとどまり、排外主義者にいたっては全体(23.8%)よりも低い20.3%となっています。

 このように、右派市民は何があっても自民党を支持し続ける固い基盤ではなく、何かあれば他党へと乗り換える人々だということがわかります。今回の場合、首相が安倍でなくなったことと、党の不祥事が大きな影響を及ぼしたものと推測されます。それにくわえて、抵抗なく乗り換えられる選択肢がいくつもあったことが大きかったといえるでしょう。

 右派市民の乗り換え先は、1つには日本保守党、参政党という、より右派的な志向性を純化した主張を打ち出していた政党です。とくに、愛国主義者、伝統主義者は日本保守党に投票した人が目立って多いことがわかります。

 回答者全体における同党の得票率との乖離がとても大きく、裏を返せば、右派市民以外はあまり日本保守党に投票しなかったということになります[表10]。

表10 2024年衆院選(比例区)の各党投票者における右派市民の割合同書より転載 拡大画像表示

 参政党もまた、右派市民からの票を集めており、とくに愛国主義者、排外主義者が多く投票していることがわかります。ここで気になるのは、2017年の「日本のこころ」と比較してなぜこの2党が支持を集められたのかということです。