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「ぶっ殺すぞ!」――。病院の受付で響き渡る怒号。それは単なる「迷惑なクレーム」ではなく、明確な犯罪行為です。近年、さまざまな場所で深刻化するカスタマーハラスメント(カスハラ)。スタッフの精神を追い詰め、離職の原因にもなるこの問題に、組織としてどう立ち向かうべきでしょうか。本記事では、身の危険を感じるほどの暴言を吐く加害者に対し、「一発撃退」するための具体的なメソッドを、カスハラ対策の専門家である細井大輔弁護士にお聞きしました。(執筆/ライター 岩田いく実、監修/かける法律事務所 細井大輔弁護士)
「俺を誰だと思っている。ぶっ殺すぞ!」
大混雑の総合病院で怒鳴る男性
某都市の地域医療の中核を担う「K総合病院」は、常に混雑していることで知られています。特に月曜日の午前は、患者数が多くなりやすく、総合受付は常に混雑している状況です。
「おい、いつまで待たせるんだよ!」
毎週月曜日に内科へ通院する60代のある男性は、予約しても定刻ぴったりに受診できないことや会計も時間がかかることについて、毎回看護師や受付にクレームを入れていました。時折怒鳴り声を上げたり、総合受付の備え付けのアクリル板が揺れるほどの力でたたくことも多く、警備員が駆け付けることもありました。
受付の医療事務の佐藤麻衣子さん(40代・仮名)は、この男性から怒鳴られることが多く、対応に苦慮していました。
ある日、会計に時間を要したことを謝罪してから案内すると、「俺を誰だと思っている。ぶっ殺すぞ!」と受付から身を乗り出し、佐藤さんの顔をたたくまねをしました。この時も警備員に制止されましたが、病院近くに家族と暮らす佐藤さんは、時々近所のコンビニで男性に出くわすことも。
子どもと近所で過ごしている時に男性を見かけることもあるため「子どもにも危害を加えられるのでは」と日常生活でもストレスを感じるようになっています。
悪質な言動を
一発撃退する方法とは
残念ながら、病院などの受付はカスハラが起きやすく日常的に悩まされている職員が少なくありません。しかし、これらは決して「お客様の不満」で済まされるレベルではありません。
そこで、このようなケースで雇用主側が取るべき、加害者を「一発撃退」するための方法を、カスハラ対策に詳しい、かける法律事務所の細井大輔弁護士に聞きました。







