こうした能力を持った人が創業メンバーのなかに揃っていればいいですが、そんなことはまずありません。そこで新たな人材を採用していくことになるわけです。
ところが、新たなメンバーを採用すると、さまざまな問題が出てきます。新たなメンバーと古参のメンバーの価値観の違いで軋轢が生まれるのは、よくあることです。
専門的な知見や経験があるからといって、新たに入社してきたメンバーのいうことを聞いていると、これまで醸成されてきた文化が壊れてしまった、ということもありがちです。
IPOが視野に入ってくると、ストックオプションを目当てにした人たちも入社するようになります。IPOのノウハウを持っていて優秀な人も多いのですが、IPOをしたら辞めるつもりなので、会社に対するロイヤリティが低く、社内を引っかき回して去っていくこともあります。
とはいえ、新たなメンバーを採用しなければ、次のステージへの成長が止まってしまいます。会社が成長するにつれ、どのような採用戦略をとるべきか、頭を悩ませることになるでしょう。
アスクルにもハイスペ人材が
集まるようになったが……
かくいう私も、アスクルが成長していく過程で、人の問題に悩みました。
アスクルの立ち上げ時にいた創業メンバーは、私を含めて4人でした。その後、徐々にメンバーが増え、そのメンバーが中心となって、商品の拡充、カタログ制作から発送作業、お客様対応まで、全員で協力し合って事業を切り盛りすることで、アスクルの事業を軌道に乗せることができました。
この頃は、社員同士の口論のようなことはありましたが、悩みはそれぐらいでした。しかし、アスクル事業が急成長し、社員が数十人、数百人と増えてくると、それまでと異なるタイプの人材が必要になってきました。
2000年に上場することになるのですが、上場準備をするメンバーも集める必要が出てきました。気心の知れた「がんばれベアーズ」軍団(編集部注/創業社員たちのグループ。弱小野球チームの奮闘を描いた映画から名付けられた)だけでは限界があります。







